日別アーカイブ: 2019年8月16日

テラ漆部の夏

今年も7,8月限定で清滝テラにて漆部やっています。

始まりは4年ほど前になります。
テラによく来てくれていた友人と漆談義で盛り上がりました。漆は素晴らしい。最強の塗料であり接着剤でもある。ハレの日だけの高価な漆ではなく、日常に使える漆を復活させたい、国産漆を暮らしの中で復活させたい。

私達は、かつて暮らしの中にあった、岩手の浄法寺菓子盆や滋賀の朽木盆といった、古き漆を紹介するの展覧会を行いました。と同時に、自分たちでもこれからの漆を考えながら、拭き漆の制作を始めたのです。漆は、友人が岩手の浄法寺で自ら漆掻きの修業をしてきた生漆を樽ごと持ち帰り、和紙で濾しながらすこしずつ使っていきました。

最初は先生のところに通いながら室を使ってやっていましたが、先生と日時を合わせて回数を重ねていくには限界もあり、そのうち、とても良いことに気がついたのです!
清滝テラは山と川に挟まれた谷あいのギャラリーで、梅雨から夏の時期にはいつも湿気に悩まされてきました。でも、漆は湿気と温度の中で硬化していきます。この時期の清滝テラをつかえば、ギャラリー全体が天然の室状態。そうだ、夏はここで漆塗りをしよう!

そんなことからテラ漆部が生まれました。
特別先生を招いて行う教室ではありませんから、名称はあくまで「テラ漆部」です。時期は7〜8月限定。暑い時期ですので、いつも汗が額から滴りますが、漆のついた手(手袋)では汗を拭うこともできません。そこで、またまた良いことを考えました。
漆塗りの前に、目の前の清滝川でひと泳ぎするのです。川の水は夏の盛りでもひんやり冷たくて、体の温度を一息に下げてくれます。
私達は、これを「河童部」と称し、こちらも夏の恒例行事となりました。

 

今年も河童部と漆部の組み合わせで、漆部は元気に部活が続いています。
塗り終えた漆は、しばらく時間をおいてしっかり乾かしてから、みなでそれを使った料理会をすべしと計画しています。

暑さ厳しい夏ですが、この楽しみがあるおかげで、今年も楽しく夏を過ごしています。