年別アーカイブ: 2022年

9月の展覧会のご案内

9月23日(金)〜9月28日(水)
革の創作バッグと手織り絨毯キリム展

富山で手織りのペルシャキリム絨毯の店を営むアリアナキリム&アートギャラリーさん。敦賀で手縫いの革の創作バッグや世界の石や素材を使ったアクセサリーなどを作るアトリエフィスクさん。お二方の展覧会が行われます。


アリアナ店主マルフィーさんはイランの出身。母国の遊牧民に伝わる草木染め、手織りの絨毯・キリムををこよなく愛し、長年展示販売をしています。
機械織りの新しいものではなく、ややオールドやアンティークの希少な手織りものにこだわり、遊牧民の暮らしや受け継がれる伝承、伝統技術にも詳しいのです。


(昨年の展示より)

暮らしの中で使えるようにと、洗い方や手入れ法の指導もしてくれます。ペルシャの伝統茶器、サモワールで紅茶を飲みながら、いろいろな話を聞くのが楽しみです。

革の創作バッグを作るのは、敦賀のアトリエフィスクの奥井さん。ご実家は全国の料理屋さんに昆布を卸している敦賀の老舗昆布屋さんです。

若い頃から世界を旅して、デンマークでレザークラフトに出会い、革のカバンを手作りしてきました。日本や世界で集めた希少な布も革と組み合わせて使っているのが特徴です。

会期中の希望日に手作り革鞄の教室を開催します。

★ 革のバッグを手づくりしよう!
ミニトート 15,000円 20cm×21cm×9cm ポケット付
A4トート 22,000円 33cm×25cm×10cm ポケット付
手提げの長さやポケットの布模様など好みを選べて、半日ほどで自分だけの手作りバッグができます。
事前予約必要
制作は4時間程度で、奥井さんが丁寧に指導してくださいます。
会期中の希望日を伺いながら、少人数で行いますので、大小サイズを決めて、どうぞお早めにご予約ください!

 

内山、藤井展覧会終了

展覧会、無事終了しました。
内山さんは倉敷に帰られ、藤井さんの作品もお手元に戻しました。

私は西陣自宅に戻り、今日は久々に家の大掃除と洗濯と冷蔵庫に滞っていた食材の料理を。なんか下界に下りてきたっていう気分です。

会期中のこと

8月25日、朝清滝テラに来てみると、ギャラリーにお泊まりのはずの内山貞和さんの姿はなし。
あれ?お散歩かな?と思っていたところ、しばらくして、水に打たれたようにびっしょりの内山さんが帰ってこられました。
聞けば、朝5時過ぎに起きて、愛宕山に登ってこられたとのこと。帰りは月輪寺にも立ち寄ってこられたとのこと。5時間かけて登り降りされ、11時のオープンに合わせて滑り込み。
シャワーにかかっている間にお客様が来始めて、それから夕方まで内山トークも途切れることなく。
恐るべし、団塊世代の体力と底力。
内山さんは会期中ずっと会場にいらっしゃいます。

一方の藤井さんは、現在作品制作の締め切りに追われておいでで、次の在廊は8月27日(土)の予定です。代わりにといってはなんですが、1階には額作品が、2階にはマシラ絵巻がお待ちしています。藤井さんの画集「マシラ」も会場に在庫がありますので、どうぞお手に取ってご覧ください。
ご希望の方には、額装していないシート作品もご覧いただくこと可能ですので、もしご覧になりたい方があれば、お声掛けください。

それでは、後半戦に向かいます!

 

始まりました、内山貞和、藤井勘圿展

展覧会、始まりました。

内山さんは、昨日、スーツケース何箱かの作品とともに倉敷より到着。テキパキとレイアウトを決め、大量の作品を飾り付けていきました。


その作品は、彫金作品あり、石や骨あり、木や植物の実あり、はたまたプラスチックや謎の物質も?


作業の合間に、作品テーマについて伺いました。今回は、「古代・石器時代から現代、そして人新世までの『人の遺跡、遺産』をテーマとした作品」とのこと。んんん?と思われる方もおいでかもしれませんが、私、お話聞いて、いくつかの謎が解けました。
作品の物語を知りたい方は、どうぞ会場にて内山さんにお尋ねください。ストーリーテラーがたくさんの物語を語ってくれることでしょう。作品群も物語の流れとともに展示構成されていますよ。


一方の藤井勘圿さんの作品は、1階には額作品を展示。
メインは大きなネギです。そして日野菜、大根。蓮。
ごく日常的な野菜をこんなに非日常な作品とする作家は、あまり知らないのではないでしょうか。独特の世界です。


1階左手の壁面には嵐山・岩田山のサル(日本の古語で「マシラ」と言います)の作品を展示。野生のニホンザルを1頭1頭を個体識別して描かれています。


そして、2階には、岩田山で写生された作品が、額装も表層もされていない描かれたままの絵巻の状態で展示されています。
これをどう展示するか、おおいに悩んだのですが、和室の三方を取り囲むように展示することで、猿に囲まれて写生をする藤井さんのライブ感を味わっていただけたら、、と思います。

8月の催し 内山貞和・藤井勘圿 二人展

8月22日(月)〜8月28日(日) 「内山貞和・藤井勘圿 二人展 」


内山貞和さんは、自然の素材や形を生かして個性的な彫刻やアクセサリーを作る造形作家です。

長年、倉敷にて古民家再生ギャラリー「サロン・ド・ヴァンホー」を営み、すぐれた作家を世に送り出すプロデューサーとしても敏腕な方です。

その内山さんが今回ご一緒にと声をかけてくださったのが、藤井勘圿さん。実は私も長年憧れる孤高の日本画家です。苦労して絵描きの道を進まれましたが、40歳で最初の個展をされた際、黒澤明監督の美術監督・村木与四郎氏、市川崑監督の美術監督・村木忍夫妻の目に偶然留まり、こんな画家が世にいたのか!と、おふたりが東京中を駆け回って次の展覧会をセッティングされたと言う逸話の持ち主です。

そして、藤井勘介さんといえば、嵐山の岩田山に生息する日本猿の絵。30年余り前から山に足を運び、猿の群れの中で写生をし続け、作品に仕上げています。1頭ずつの猿の特徴や動きが見事に捉えられ、けれども細密画とは異なる独特の削ぎ落とされた日本画です。

今回は、嵐山に近い清滝で、未発表のマシラ(日本猿の古語)シリーズの墨絵絵巻を、元の形のままじっくりご覧いただこうということになりました。ぜひゆっくりお越しください。

愛宕山千日詣 7/31にはWatte Chaiのチャイをどうぞ!

おなじみ創造と破壊のチャイ屋「Watte Chai」(ワッテチャイ)が清滝テラにやってきます!
今年も愛宕山千日詣本来の形である7月31日の夜間登山は中止で、7月23日〜8月1日までの昼間が代替期間とされています。ですから、チャイ販売も7月31日(日)日中のみ。時間は午前10時過ぎから夕方5時ごろまでです。


素焼チャイカップで本場インド式の甘くてスパイシーな熱いチャイをぐいっと飲んで、あとは本場式に「割ってチャイ!」いさぎよく割って土に戻します。昔からインドの街角のチャイ屋は、器を使い回さず、チャイもその場で加熱。この方式は感染症対策にも有効だったと思いますが、いま現代日本でも有効になろうとは、ちょっと皮肉な話です。

愛宕山千日詣りは、1回登って1000回登った御利益があるという特別な1日。スペシャルなご利益にあやかりたい方、愛宕登山をされる方、本場のチャイが飲みたい方、ワッテチャイの石原夫妻に会いたい方、テラを覗いてみようかなという方、清滝川で納涼したい方、どうぞ遊びにいらしてくださいな!

「デボラと寛太郎の七夕展」を振り返る

展覧会終了しました。改めて会期中の様子を振り返ってみます。

デボラの手漉き紙。基本的な紙の作り方は、日本のコウゾ紙に近いのですが、そこはやはりオーストララ出身のデボラさんならではの、感性や空や海、風土の風が感じられました。

柿渋や錆を使った作品もありましたが、渋さの中にもポップな感覚があり、デザインや紙の創意にも、新鮮な感動を覚えた次第です。

そして、寛太郎さんの作品。こちらもまた、伝統的な日本の友禅技法を学び使いながらも、その枠にはまりきれずに、自由な作品世界を展開されていった様子がよくわかりました。
そして、デボラが、そんな寛太郎さんとその作品にとても惹かれ、尊敬していた様子もまた。

デボラさんのギャラリートークは、山本佳奈子さんが通訳司会を務めてくださり、平島千晶さんが補佐してくださいました。

山口ともさんのミニライブも、のびやかな声が美しく、生前の寛太郎さんも彼女の声が好きだったと言うのも頷けました。きっと作品の背後から寛太郎さんも聞いていてくれたことでしょう。

さて、こちらは7月8日の和紙に刺繍のワークショップ。私は、とりあえずチクチク刺していったらいいかな?なんて思っていましたが、デボラはきちんと各人にデザインを考えさせ、下絵描きから開始。その分ちょっと時間不足となりましたが、和紙に刺繍って、意外といけます。ちょっとこれからあれこれと展開できそうだなあ!って、私は目から鱗の思いでした。

休憩時間にWS参加の方々にお出ししたのは、寛太郎さんのご長男が営む「タイソンタルト」の人気のケーキ。写真は「ブルーチーズのチーズケーキ」。もう一種「柚チーズのタルト」は、スイーツコンテストで賞を取った人気タルトで、私のところに来る前に皆さんのお口に入ってゆきました。でもこのブルーチーズタルトもとびっきり美味しかったですよ。

七夕の笹飾りに吊り下げていた皆さんの願い事は、最終日にご飯を炊くおくどさんの日で、お焚き上げしました。

山口ともさんが鈴を振ってくれて、「願いが叶いますように」って祈りを込めました。

暑い中でしたが、デボラとその友人たちの協力のもとに、この展覧会が実現できて、とてもよかったと思っています。ご来場くださった皆さん、ご協力いただいた皆さん、心よりありがとうございました!

 

これは、作品を返却に行ったときに。
デボラの家の近くで見た蓮の花。
皆を引き合わせてくれた寛太郎さんへの感謝とともに。

満員御礼

7月7日(木)のギャラリートーク、7月8日(金)の和紙に刺繍ワークショップは、ともにご予約が定員に達しましたので、満員御礼とさせていただきます。

寛太郎さんとその作品

実を言えば、私は寛太郎さんのご生前にお目にかかったことがありません。
数年前からデボラさんと寛太郎さんのことはお聞きする機会があり、お目にかかりたいなと思っていたのですが、機会を逸するうちに、寛太郎さんはご病気で亡くなられてしまいました。

その後、デボラさんが落ち着かれてからお目にかかることとなり、デボラさんやご友人たちから寛太郎さんのことをいろいろお聞きし、また、作品を拝見しながら、寛太郎さんに出会うことになりました。

伝統的な友禅技法を学ばれ、お仕事としてもされていたけれど、そこに収まりきらずに、自由に絵を描くようにして、布に、友禅の技法で、自分の好きな世界を描いていらしたこと。旅を愛して、様々な国に行かれ、そこでみて感動したものを描いていかれる自由な方であったこと。

龍と鳥を描かせたらピカイチで、独特の世界をお持ちだったこと。

多くのご友人に囲まれ、あたたかく、ユーモアあふれる人柄だったこと。

ボブ・ディランをこよなく愛していたこと。

作品からその人を知るというのも悪くはありません。その人の持っていた世界観を、作品を通して知る楽しみを味わいつつ、この展覧会を進めています。

始まりました!「デボラと寛太郎展」

展覧会が始まりました。

デボラさんの手漉きの創作紙の世界。
日本の和紙についても数年かけて学ばれたそうですが、やはり、伝統和紙にこだわらない自由さがあり、また、オーストラリアの風土を感じさせる空や海、空気感が感じられる作品が魅力的です。

こんなお茶目なデザインの灯りや、

和紙への刺繍作品もあり、

デボラさんの紙を使って、会場内でうちわ作りや紙に刺繍をすることもできます。

七夕シーズンですから、デボラさんの手漉き紙に願い事を書いて、笹の葉に飾ることもできますよ。

今週はあいにく雨天の日が多いようですが、笹飾りに「どうぞお天気が良くなりますように!」と書いて、皆様のお越しをお待ちしていま〜す!

明日は、寛太郎さんの作品について記そうと思っています。To be continue……