「手織り」というと、機に向かって静かに織物をする印象があるかもしれませんが、植物染は実は体力のいる仕事です。
まず、作業は、染料となる植物を探し求めるところから始まります。
津田さんも、師である志村ふくみさんやその門下の方々とともに、嵯峨野や愛宕山周辺のフィールドを歩き、山に登り、自然に学ぶことから多くを得て来られたそうです。
もちろん染料となる植物をいただくこともありますが、それだけではなく、足で歩き、目で植物や自然や風景を見ることで、多くのイマジネーションを膨らませ、作品のモチーフをいただいてきたのだそうです。
さまざまな植物から糸を染め、それぞれの思う色を染め上げ、糸を作り、整経して、初めて旗を折ることができます。
植物から着物までの長い工程を辿りながら、着物を見ていくと、抱く感想も変わってくるような気がします。