革の創作バッグとキリム展、明日まで

毎日ニュースのコロナ感染者数を気にしながらの展覧会は、心スッキリとは言えないところもありましたが、それでも清滝では、静かにしかし心熱く時間が過ぎてゆきました。お客様の数が多くない分、お一人お一人とはゆっくり向き合えた気がします。会期中滞在してくださsった奥井さんご夫妻とも、いろいろなお話をする機会を得ました。

京都で過ごされた学生時代、演劇集団木馬座の美術・大道具を務められた若き日々、1960年代まだ1ドルが360円だった時代にアメリカに行き、そこから止むを得ず北欧に渡ることとなり、デンマークに6年も滞在されたこと、デンマークで様々なクラフトワークに触れ、革工芸を学ばれたこと、北欧の日々、世界を巡った日々、そして日本に帰られてからのことなど、短い時間や言葉では語りきれない事ごとを、聞かせていただけたことは、豊かな時間でありました。

鞄作りのワークショップも、1日1グループ(一人か二人)としましたので、マンツーマンレッスンで、落ち着いて作業に取り組むことができたのではないでしょうか。トントンと革に穴を開ける木槌の音が響き、ロウビキの麻糸で一針一針手縫してできた革のバッグは、愛着深い逸品となったことと思います。

アリアナさんが在廊されなかったのは残念なことでしたが、キリムに腰を下ろしながら、冬季中東の遊牧民に思いを馳せる時間も貴重でした。

明日はいよいよ展示会最終日です。