向坂典子さんの展覧会「食いしん坊のうつわ屋さん」無事終了しました。
展覧会タイトルの通り、食べ物が美味しく楽しく食べられる器がたくさんやってきて、そんな器から美味しい食べ物が生み出され、美味しく盛り付けられ、残り物さえ美味しく(美味しそうに)保存されました。そしてそんな光景を見た方が、器を求めてくださいました。
それぞれの家に連れ帰られた器たちは、今頃、それぞれの家庭で、その威力を発揮していることでしょう。
展覧会恒例の野点茶会では、今日という日に偶然にも集ってくださった参加者の方々に加え、能管奏者の野中久美子さんとユニット音庭園のお二人(村田聡さん、ひろこさん)も加わってくださいました。
この日が初顔合わせだったにもかかわらず、いつの間にか皆が場に溶け込み、音は重ね合わされて、声も言葉も紡がれてゆきます。人も、水の流れも、春近づく木々も、調和こそすれ、邪魔はしない。笛が、ピアノが、ボイスが、水の流れとともに流れるように広がってゆきました。
テラに戻り、室内でも少し演奏を。
音庭園のお二人の調べが静かに流れる中、参加者の何人かは、おしゃべりしながら、柿渋布であずま袋の縫い物を。その不思議な日常感に、ふと穏やかな平和を感じました(それもまた、つかの間のことかもしれないけれど)。
どこの国にも、誰のもとにも、そういう穏やかな日常がやってきますようにと願わずにはいられません。
「食いしん坊のうつわ屋さん」が作った器で、楽しいあさげやゆうげが生み出されていることを想像しながら、展覧会とその片付けを終えました。
向坂典子さんはウサギのそうちゃんと共に、若狭に戻っていきました。
ふたりにとっても、日常のような旅でもあり、旅のような日常だったかもしれません。おつかれさまでした。