5月の展覧会のご案内

ALS患者 甲谷匡賛の一畳百色
〜舞踏家 由良部正美のパフォーマンスとともに〜

展示 5月13日(土)〜5月21日(日) 11:00~17:00
舞踏 5月16日(火) 20日(土) 21日(日) 11:00~15:00
*上記3日間15:30~ 由良部さんが語る「甲谷さんのこと」
会場 清滝ギャラリーテラ
入場 全日500円 (会場にてお茶をどうぞ)

この企画展は、甲谷匡賛(こうたにまさあき)さんの絵と、由良部正美(ゆらべまさみ)さんの舞踏により構成される催しです。

甲谷さんは、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者さんです。発病されてからすでに20年近くが経ちますが、京都の町家で自宅暮らしをしています。病気が進行し、どう生きるかが問われた時、友人である舞踏家の由良部正美さんらが中心となってサポートチームがつくられ、自宅での24時間介護が、15年以上今も続いています。

自宅にはスタジオも作られ、そこは由良部さんの舞踏の場にもなり、さまざまな人々が集う場にもなってきました。

現在は全身を動かすこと、言語的コミニケーションをとることが難しい甲谷さんですが、2005年〜2006年当時、わずかに動く手を使い、パソコンで描いた絵が、70点余残されています。
その絵がすごくかっこいいんです!

今回の企画展のタイトルは「一畳百色」。
甲谷さんは一畳余りのベッドの上で、20年近い日々を過ごしていますが、その絵には無限の世界が展開されているようです。最後の力を振り絞って、1日の多くの時間を費やして、ベッドの上で描かれた絵。そこから色も形も意識も広がり続け、こちらに伝わってくるような気がします。

会期中の3日間、会場にて、由良部正美さんの舞踏もご覧いただけます。
こちらも「一畳百色」。由良部さん、一畳の畳の上で4時間踊り続けるというんです!
どんな舞踏になることでしょう!?

長時間のパフォーマンスになりますから、来場された方々は、始まりから終わりまでずっとお付き合いいただくには及びません。絵を見たり、舞踏を見たり、お茶を飲んだり、ときに清滝川を吹き抜ける風を感じたり、ご自由にひとときをお過ごしください。

今回の展覧会では、物品販売をおこなわず、全日500円の入場料を頂戴します。
一度入場された後は、当日の出入り自由です。

こちらは由良部正美さんからいただいたメッセージより

甲谷さんは四肢全廃、どのような言語的コミュニケーションも不可になって 10年以上が経ちます。このような体を牢獄と表象する人もいるでしょうが、 私には全く逆で、彼のカラダは、襖も窓も開け放された広大な屋敷のように 感じます。そこには、言葉も感覚も情動も時間でさえも、吹き渡る風のように 通り過ぎ、留まり居着く人は誰もいません。