南米の土器三人展終了しました

マネノさん、清水匡子さん、ルルくんによる南米の土器三人展終了しました。
はるばる地球の反対側よりお越しくださった清水さん、ルルくん、ご家族の皆さん、そして、お越しいただいた皆さん、ほんとうにありがとうございました。

ふり返り、11月1日に行われたギャラリートークの様子から。
今回は、マネノさんがお仕事の都合で来日されず、作品のみの来日となったため、現在パラグアイにいらっしゃるマネノさんと、京都・清滝テラの清水匡子さん、ルルくん、そして会場のお客さまを繋いで、オンラインギャラリートークが行われました。

マネノさんの言葉
・ペルー北部で紀元前500年から続くビクス文化を受け継ぐものとして、祖先への思いと次世代への継承を常に心に抱きながら、伝統技法による作陶活動を続けている。
・陶芸は自分の人生そのものであり、昔からの伝統を大切にしながらも、いつも新たな発見をしながら作品を生み出している。
・自然はいつもパーフェクトで、自分は自然のようにパーフェクトにはいかない。それでも、土を触っているうちに、いつの間にか自然に形が出来上がってくる。考えずに感じるままに作品を作っている。
・近年は音の出るオブジェを多く制作しているが、古の土器の中にもそうしたものがあり、自分は、形を作るだけでなく、鳥の声、音も含めた表現として制作をしている。

マネノさんからルルくんへ
・後継者は若者たち。今も挑戦しているとは思うけれど、もっともっと作り続け、練習を続けていくことが大切だと思う。

ルルくんの言葉
・自分はペルー人の父と日本人の母を持ち、ペルーやブラジルやパラグアイで暮らし、ミックスした存在だと思う。
だから、伝統技法とテクノロジーをミックスさせたものを作っていきたい。

清水匡子さんの言葉
・ハイテクな現代において、縄文、弥生時代から作られてきた土器に魅力を感じ、それを選んで作っている。低温で脆い土器だけれど、土器でなければ出せない色や艶、美しさがある。
・現代を生きる自分や人の中にも、縄文時代の人間のDNAは生きているはずだから、土器を手にして使ったときに、どきどき!と心に伝わるものがあったら嬉しい。

日本との時差12時間、夜中の1時半に、地球の裏側、気温50度の南米の国で話しているとは思えない、 クリアーなマネノさんのお話でした。
いつもはオンラインより直に人と出会いたい、と思うことの方が多い私ですが、今日ばかりは、遠く距離が離れて会えない人とこうしてリアルタイムに話ができる装置が使えてありがたいなあ、と思いました。
皆さんにも聞いていただけてよかったです。

会期を終えて、私が思ったこと
世界は広く多様でありながら、繋がろうと思えば、どこも思いのほか近く、文化も大きく異なるようでいて、人の願うところはそう変わらない気がします。幸せでありたいとか、祖先を敬い、子孫の繁栄を願いたいとか。
いろいろなことが気になったり心配になることもあるけれど、見方や気持ちを少し変えたら、それはどうでも良いことのようにも思えます。
マネノさん清水匡子さんら家族の生き方を見ていたら、その自由な生き方に驚くことも大きいけれど、(きっと大変なことも多いと思うけれど)、そうか、そうやっても笑いながら生きていけるのかと、気持ちが自由になる気がしました。

会期中には、ご遠方から来てくださった方も多く(ペルーやパラグアイよりは近いと)、思いもしなかったご縁で巡り合える人もあり、願えば叶うこともあるし、叶わないこともあるけれど、クヨクヨせずになるべくしてなるようになる。
作品を見て、一家の生き方を見ていたら、そんな気持ちになる展覧会でありました。