明日から3月です。そして、明日から向坂典子展が始まります。
実は向坂さんは、今年に入ってから、かねてより療養中だったお父様とお母様をどちらも看取られるという厳しい経験をされました。
その前から介護の日々も続いていましたので、「今年の展覧会、どうしましょう?延期した方がいいのでは?」とお声かけしましたところ、「作品を作り仕事をすることが、今の自分の支えになります。予定通り開催しましょう」とお返事いただきました。
日々の暮らしの中で、一から十まで、初めから終わりまでのもの作りに取り組んできた向坂さんらしい言葉でした。
いつもの年に比べると、展示する新作の数は少し少ないかもしれません。それでも、思うことの多い日々の中で、彼女は小さなスケッチを続けていました。風に吹かれた落ち葉1枚、道に落ちた木の実一つを丁寧に見て描くスケッチ。いつの間にかスケッチは積み重なり、多くの枚数となりました。そんなスケッチもご覧いただけます。
スケッチを入れる小さな陶器の額も作りました。向坂さんのスケッチと合わせるのも素敵ですし、額だけ求めて頂き小さな写真や絵などを入れてもおしゃれです。
3月3日は清滝テラ恒例のひな祭り野点も行います。早春の気配を探しながら散策し、河原でアウトドアな野点を楽しみます。参加費は4000円ですが、お茶とお菓子はもちろんのこと、向坂さん特製のお抹茶茶碗と柿渋染の大津袋もついていますので、お得なセットです。
かけたりヒビが入ってしまった陶器の簡易金継ぎ講習、柿渋染の竹紙を貼り重ねた一閑張り作りの講習も行います。こちらは2000円で、ご希望日をご予約くだされば、会期中に実施できます。
向坂さんは会期中会場に詰めていますので、手を動かし、口を動かし、展覧会場でもあり、ものづくりを楽しむ会場でもあり、としたいと思っています。薪ストーブの火を見ながら、心温まるひと時をご一緒したいと思っています。どうぞお越しをお待ちしています。