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11月の展覧会「小林斐子小林斐子草木染織展」

11月18日(火)〜11月23日(日)
小林斐子草木染織展 2025初冬彩点

清滝が紅葉で彩られる頃、小林斐子さんの草木染めの染織展が行われます。
自然から色を取り出し、糸を染め、手で織り、さらに着心地良い服に仕立てて展示されます。
織りのコートやチュニックなどのほか、染めのTシャツやパンツ、ストール、帽子など、並びます。

織りと染めの体験ワークショップもあります。
11月20日(木)原始機でミニストールを作ろう 4人まで
11月22日(土)つつじでストールを草木染めしよう 10人まで

いずれも11時〜開始、参加費3000円(昼食付き)
先着にて要予約 テラまでお申し込みください。

今年の清滝の紅葉はどうでしょうか?
長かった夏から、急に寒くなってきましたから、意外に期待できるかもしれませんね。

11月11日は「ことばの会」

1月11日(火)ギャラリーテラ「ことばの会」
〜一冊の本からことばについて考える〜

小さなギャラリーには贅沢すぎる3人の講演者(苅谷夏子、金水敏、仲野徹)の先生方をお招きして、お話会を開きます。講演者も来場者も一冊の本を読んできて、その本を基軸として、いろいろな話が展開していく予定です。

その1冊が決定しました。『サイレントシンガー』(小川洋子著)です。「
博士の愛した数式」の作者でもある著者の最新作。ことばの会ですが、なぜか本のキーワードは「沈黙」です。

会場人数が限られますので、ご参加は、事前予約をお願いします。ご予約受付中。

第1部終了後、夕方からは、懇親会も予定しています。
(こちらは参加費別途1500円)

「すっぴん!マルシェ」終了しました

「すっぴん!マルシェ」1日目。
それぞれの「好きな世界」を楽しんで創る出展者たちの作品や表現は、伸び伸びしていて、とても気持ちが良かったです。


アジアの布だったり、アフリカの布だったり、ステンドグラスやデコパージュ、手紡ぎ手編みのレースやニットだったり。

渡辺あふるくんは、会場内での似顔絵描きが大忙し。順番待ちが続いて、息つく暇もありませんでしたが、前に座った人の顔をチラッと見るか見ないかで、すぐに描き始め、一気に色までつけて描き上げてしまいます。一瞬にして人の印象を画像で捉えられてしまうのでしょうか。

午後にはしもじちひろさんのキールタンライブもありました。
アコーディオンの原型のようなハルモニウムという楽器を奏でながら、
インドの祈りの歌を歌うちひろさん。

びっくりしたのは、インド料理屋「スパイスメディかキッチン ブッダガヤガヤ」店主バブさんが、初対面のはずのちひろさんの歌に合わせて声高らかに歌い出したこと。えっ?なんで?と思いましたが、なんとバブさんは、毎朝、この祈りの歌を歌い、1日が始まるのだそうです。
「インド人だったら誰でも知っている歌だよ」というバブさん。

それからは、ちひろさんのリードとバブさんの歌とおりん、弦楽器や太鼓も加わり、みんなで聴くのも初めてなインドの祈りの歌を、手拍子で歌ってしまった私たちです。
庶民にとっての祈り、御詠歌、本当はそんな感覚のものだったのかなあって思う、楽しいひとときでした。

村田ひろこさんのボイスヒーリングや平島千晶さんおアロマヒーリングで香りや声にも癒されながら、気持ちを穏やかになり、あれよあれよという間に時間は経ちました。

「すっぴん!マルシェ」2日目。
朝方まで降っていた雨も上がり、しっとりと秋の気配漂う中、盛り上がりを見せた清滝テラのマルシェ。

知らない人同士がここで会って、実は繋がりあったことがわかったり、たまたま隣り合わせて話すうちに、すっかり仲良くなってしまったり。そんなことがよくあるんです、ここでは。そんな会場のみなさんの様子を写真に収めたかったのに、今日は、にぎやかわちゃわちゃしているうちに、撮影ケロッと忘れちゃいました。

今日の午後のライブはdaitou姉妹。
私はこの間から『サイレントシンガー』(小川洋子著)という本を読んでいたのだけれど、ふたりのライブを聴いていて、突然、「あ、ひろちゃんはサイレントシンガーだ!」と思ってしまいました。

ひろちゃんの声、Emiさんのクリスタルボウル、決まった音階やメロディーはないのに、音は共鳴しあい、人の心にシンクロして、静かに引き込まれたり、心整えられたりする気がします。
今日の私には、ふたりの「サイレントシンガー」が心響いたなあ。

といいつつ、最後は、Emiさんのキーボードとひろちゃんの歌に、太鼓も入って、手拍子も入って、バブさんひろちゃんの踊りも入って、大盛り上がり。ハグの嵐の中で終了に!

賑やかに今年の「すっぴん!マルシェ」も終了しました。
出展者もお客様もみんなで「好き」を楽しむすっぴん!マルシェ。
みんなすっぴんピカピカになれたかな?!そうだといいな!

「すっぴん!マルシェ」近づきました

10月18日(土)19日(日) すっぴん!マルシェ in 清滝テラ
いよいよ近づいてきました。

「大好きなことをして、素のままで心ピカピカにいられるマルシェを目指そう」と始めたすっぴんマルシェも3回目となりました。食、クラフト、絵、ヒーリング、音楽など、出展者が集います。

【食】 会場でもOK、テイクアウトもあり
*第1回にインド料理を出してくれたバブさんは、あれから「スパイスメディカキッチン・ブダガヤガヤ」を一乗寺にオープン。実店舗もありますが、この日は清滝にきてくれます。いながらにして本場のインドを味わえますよ。 

*「てすこの焼菓子」では、紅茶と焼き菓子でイギリスの午後のお茶の時間をゆったりと。

【クラフト、アート】
★アジア大好き、ラオスの布で雑貨やバッグを作る南澤ようこさん、

アフリカ布に魅せられて袋物から傘まで手作りする和田かよこさん、

ともに初回からの出店で、今回も元気に作品作っています。

*今回初出展の渡辺あふるくんは、会場にてその場で希望者の似顔絵描いてくれます。
18日時間限定にて。

【あふるくんより】
あふるは本名です。
洛西にある障害者支援事業所「暮らしランプ」に通って、絵を描いたりしています。仮面ライダーやワンピースが好きです。9月には東京のスカイツリー近くで作品展示しました。11月は鈴木診療所の子ども食堂で個展開催予定。

*ニットとタティングレースの仁谷文代さんは、細くて細やかな手仕事がお得意。ニットの服や小物のほか、会場でタティングレースのクローバーづくりワークショップもされる予定。

※こちらも初登場の「祐の風」チーム。不登校の子どもたちの居場所づくりを母体とするチームメンバーがステンドグラスやデコパージュで出展。

えりーちぇ作品

浜田智子作

あ、忘れてはなりません。テラも竹紙で出店しています!

【ヒーリング】
ヴォイスヒーリング(ラブシェアリングひろこ)、

アロマヒーリングとオイルマッサージ(平島千晶)、

クリスタルボウル、レイキヒーリング(ヒーラーEmi)、daitou19日には、daitou姉妹の音遊びライブもありますよ。

18日にはしもじちひろさんのヒーリングとキールタンライブも行われることになりました。

盛りだくさんな2日間です。どうぞ、すっぴんマルシェに遊びにきてくださいね!

 

「能登に暮らす」展を終わって

村田啓子さん、ゆき奈さん、長瀬光恵さん、ベアントシェルホルンさんと共に開催した「能登に暮らす」展。10月5日に無事終了いたしました。

搬入と初日には、よろみ村龍昌寺の現住職である遼雲さんとゆき奈さんが来てくださり、若々しい二人に未来を感じました。
これからの暮らしの中心に「米作り」を考えていきたい」と、皆の前ではっきり伝えた遼雲さんの言葉に、地に足つけてこれから進んでいく心意気を感じました。

会期中、村田啓子さんと長瀬さん、べアントさんは会場に在廊してくださり、来てくださるお客様を囲んで、毎日が異なる新鮮な日々でした。

村田啓子さんからは、今まで常識と思っていた畑の作物作りが、近年の気候により変化してきていること、その難しさを伺いました。
大きな自然には逆らえない。自然に合わせてやり方を考えていくしかない、、のでしょうね。

ちなみに正面の作品のタイトルは「46億年」。地球ができてからの年月だそうで、地層をイメージした作品だそうです。

長瀬光恵さんの写真は、地震で被害を受けた後に撮られたものでしたが、いわゆる報道的なものではなく、そこには、写真を切り取った作者のまなざし、表現の世界(時に美しさを)を感じました。そして、地震後の自然の変化。それは「失われたのではなく、変わっていくだけだ」と言ったベアントさんの言葉に、自然の大きなエネルギーと小さな人間を感じたのでした。

べアントさんのお料理には驚かされました。
伝統的な日本の和食や懐石、精進料理を学ばれたというべアントさんですが、その料理の世界は独創的なものでした。

最初は「日本人以上に日本人らしい心を持ったドイツ人」なんていう言葉を使おうかと思っていたけれど、10日間余りをご一緒して見て、その言葉は違うな、と思いました。

朝起きたら散歩に出て野花を摘んで花器に生ける、

その時々にある野菜を選び、素材を最大限に生かす料理法を考え、器を合わせて人をもてなす、理作る人も食べる人も楽しむ、

そうしたことは、日本人であるか何人であるかの問題ではなく、物事に真摯に向き合い、人も自然も同じように思いやり、生き物をみな平等に扱うこと、
そういうことに、国も男女も関係ないのだなあ、と思い当たった私です。

いつも、あれせな、これせな、早くせな、早よせな、と焦って物事を処理することばかりに追われている自分を反省し、もう少し丁寧に生きなくてはな、と思った私です。

この写真は、最後の日の夜に、べアントさんが用意してくれた食事。
啓子さん、光枝さん、べアントさん、私でいただきました。
素材のもつ味を生かし、食感を生かしつつ、やさしく味付けられた野菜たち、2枚目写真のパスタには、ナスやししとうとともに、山椒とシソの実が小気味よく効いていて、なるほど!こうきたか!の美味しさでした。

会期中の食事会で、お料理は目にしながらも「どんな味なんだろう?」と妄想膨らませていた料理を最後に味わえて、嬉しかったです。

べアントさんの食事会

展覧会3日目。今日はべアントさんの食事会でした。

いくつもの和食や精進料理の店で修業されたと聞くべアントさんですが、その料理は、これまでにみたことがないもので、独自の世界観を持つように思えました。

お花を生けるところから、

一品一品の料理に優劣をつけず、前菜、メイン料理などと盛り上がりの波をつけずに、食材を平等に扱うという心。

ピリリと山椒が効いていたカボチャのスープには、驚きの声が上がりました。

想像及ばない、やっぱり独自の世界を感じるという言葉ふさわしい料理でありました。

みなさん和気藹々とお話も弾み、楽しい会となりました。

始まりました!「能登に暮らす」展

展覧会始まりました!

1階は村田啓子さん、ゆきなさんの作品が並びます。

2階には、長瀬さんの写真がすっきりと並びました。

能登地震後の厳しい情景もありますが、それでもなお、自然の再生力の力強さには、目を見張らされます。

べアントさんが言いました。自然は「失われたのではない、形を変えて、変わっていくだけだ」

 

テラ通信10月号(少し前倒し)

「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、夜、突然、暑さではなく、寒さを感じるようになりました。長かった厳しい夏も、いよいよ終わりを迎えようとしているのでしょうか。それにしても、昔の人は、気象情報もない中、肌で気候を知っていたのだなあと改めて感心します。
涼しくなり、秋の訪れを感じながら、いくつかの企画を立てたり関わったりしています。
みなさんと共に、考えたり楽しんだり、次の世代に伝えたいと思うことを、一つずつ、丁寧に、形にしていきたいと思っています。どうぞご参加いただければ嬉しいです。

*****今後の催し*****

9月27日(土)〜10月5日(日)「能登に暮らす」
村田啓子・村田ゆき奈・長瀬光恵・Bernd Schellhorn 作品展と精進料理
能登での暮らしから生まれた4人の作品とお料理の展覧会、いよいよ今週末から始まります。
25日夕には長瀬さんべアントさん到着、26日には村田啓子さん、遼雲さん(啓子さん長男で現住職、ゆき奈さんの夫)も到着予定。27日初日は全員が揃っていますよ。それ以外の日は啓子さん、長瀬さん、べアントさんは在廊予定。

 

10月18日(土)19日(日) すっぴん!マルシェ in 清滝テラ
「大好きなことをして、素のままでピカピカにいられるマルシェを目指そう」と始めたすっぴんマルシェも3回目となりました。食、クラフト、絵、ヒーリング、音楽など、出展者が集います。
【食】 会場でもOK、テイクアウトもあり
*第1回にインド料理を出してくれたバブさんは、あれから「スパイスメディカキッチン・ブダガヤガヤ」を一乗寺にオープン。実店舗もありますが、この日は清滝にきてくれます。いながらにして本場のインドを味わえますよ。
*「てすこの焼菓子」では、紅茶と焼き菓子でイギリスの午後のお茶の時間をゆったりと。
【クラフト、アート】
★ラオスの布で雑貨やバッグを作る南澤さん、アフリカ布に魅せられて袋物から傘まで手作りする和田さんは初回からの出店で、今回も元気に作品作っています。
*今回初出展の渡辺あふるくんは、会場にてその場で希望者の似顔絵描いてくれます。
*ニットとタティングレースの仁谷文代さんは、細くて細やかな手仕事がお得意。服や小物のほか、会場でのワークショップもされる予定。
※こちらも初登場の「祐の風」チーム。不登校の子どもたちの居場所づくりを母体とするチームメンバーがステンドグラスやデコパージュで出展。
【ヒーリング】
ヴォイスヒーリング(ラブシェアリングひろこ)、アロマヒーリングとオイルマッサージ(平島千晶)、クリスタルボウル、レイキヒーリング(ヒーラーEmi)、daitou姉妹の音遊びライブもあり。

11月11日(火)ギャラリーテラ「ことばの会」〜一冊の本からことばについて考える〜
小さなギャラリーには贅沢すぎる3人の講演者(苅谷夏子、金水敏、仲野徹)の先生方をお招きして、お話会を開きます。講演者も来場者も一冊の本を読んできて、その本を基軸として、いろいろな話が展開していく予定。その1冊が決定しました。『サイレントシンガー』(小川洋子著)です。「博士の愛した数式」の作者でもある著者の最新作。ことばの会ですが、なぜか本のキーワードは「沈黙」です。
要予約受付中。

11月18日(火)〜11月23日(日)小林斐子草木染織展
毎年清滝が紅葉で彩られる頃、テラの会場にも小林斐子さんの草木染めが並びます。自然から染め出された糸や布が洋服となって自然を纏う心地がします。ワークショップもお楽しみに。

***テラが会場ではありませんが、実行委員として関わっています***

11月2日(日)佐藤初女さん上映会とおむすび会
会場は、滋賀県大津市の成安造形大学内、カフェテリア結です。

2013年にこの会場でブルーベリーフィールズ紀伊國屋の岩田康子さんが中心になり、佐藤初女さんをお招きしておむすび会を開きました。それから月日めぐり、「初女さんの想いをつなぐ会」として、初女さんの想いをつなげていこうと集いを準備しています。

12月14日(日)若州人形座公演「ブンナよ、木からおりてこい」
会場は、西陣テラから歩いて5分の「光清寺」です。

人形座の丈人形芝居の素晴らしさを若い世代や子どもたちにも伝えたいとずっと思っていました。
水上先生が子どもたちのために書かれた「ブンナ」はそれにぴったりです。ぜひ、子どもも大人も一緒になってみられる形で、と思い、光清寺さんで、実行委員会形式で、開催します。
テラにてご予約受付中!

想いめぐる秋ですが、一つ一つ丁寧に、伝えて、実行していきたいと思っています。

「能登に暮らす」展、開催近づく

今週末9月27日からの「能登に暮らす」展が近づいてきました。

長瀬さんとべアントさんは、25日に能登の門前町から清滝に来られます。
村田さんは26日に能登のよろみ村から清滝到着予定です。

なんと9月14日に結婚式を挙げられたばかりの村田遼雲さん、ゆき奈さんのお二人も、初日27日に会場に来てくれることになりました!

禅寺、龍昌寺の現住職である遼雲さんが、こうして京都に出てこられることは滅多になく、また、能登の地震以来、復旧、復興に追われ、その中心になって働いてきた遼雲さんと京都で会えるのも、貴重な機会です。

若いお二人に会いたい方々は、ぜひ27日に会場にお越しくださいね!

長瀬さんとべアントさん、村田啓子さんは、会期中会場に詰めてくださる予定です。

気候もグッと落ち着き、秋らしくなってきました。
どうぞ秋風吹弥清滝へ、お越しください。お待ちしております!!

11月11日「ことばの会」開催します

少し先になりますが、11月11日に、山間にある小さなギャラリーにはどう考えても贅沢すぎる3人の講演者をお招きして、「ことばと本」をテーマにした会を開きます。

ギャラリーテラ「ことばの会」
〜一冊の本から「ことば」について考える〜

開催日 2025年11月11日(火) 13:30〜16:30
会場  清滝ギャラリーテラ(京都市右京区嵯峨清滝町11−2)
講演者 苅谷夏子・金水敏・仲野徹 各先生
参加費 2000円 要予約

内容について
前半は、3人の講演者の先生方にそれぞれが研究されてきたこと、取り組んでこられたことなどをお話しいただきます。
後半は、鼎談形式で演者も会場の来場者も一緒になって、1冊の本を軸して、読書会形式でお話を進めていきます。


苅谷夏子(かりや なつこ)先生
1956年東京生まれ。大田区立石川台中学校で、単元学習で知られる国語教師・大村はまに学ぶ。大村の晩年には傍らでその仕事を手伝い、その没後も、大村はま記念国語教育の会事務局長として、大村はまの仕事に学び、継承しようとする活動に携わっている。東京大学国文科卒。結城紬の手織り技を持ち、生きものと人の暮らしを描く著書もあり。
主な著書に 『評伝大村はま』(小学館)『大村はま 優劣のかなたに』『ことばの教育を問い直す』(鳥飼玖美子、苅谷剛彦との共著)『フクロウが来た』(筑摩書房)『タカシ 大丈夫な猫』(岩波書房)など。

金水敏(きんすい さとし)先生
1956年大阪生まれ。放送大学大阪学習センター所長、大阪大学名誉教授。日本学士院会員。令和5年度文化功労者。日本語の歴史的変遷、存在表現、役割語などについて、古典から現代の小説、アニメ、ドラマ演劇に至る幅広い素材から解き明かす日本語学者。
大阪大学文学部長当時、卒業式で述べた「文学部の学問が本領を発揮するのは人生の岐路に立った時だ」という式辞の言葉は多くの人の心に響く。著書に『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(岩波書店)、『日本語存在表現の歴史』(ひつじ書房)、『役割語研究の地平』(くろしお出版)、『コレモ日本語アルカ? 異人のことばが生まれるとき』(岩波書店)『大阪ことばの謎』(SB新書)など。

 

仲野徹(なかの とおる)先生
1957年大阪生まれ。日本の生命科学者。大阪大学名誉教授。専門は幹細胞研究。
内科医から研究の道へ進み、ドイツ留学、京都大学医学部講師などを経て、大阪大学大学院で生命機能研究科および医学系研究科の教授を長年務める。専門の「いろんな細胞がどうやってできてくるのか」に関する著書も多く、ノンフィクション書評サイトや新聞書評に執筆するなど、大の読書家としても知られる。新刊に『仲野教授の この座右の銘が効きまっせ!』 (ミシマ社)。

3人の講演者の先生方とご相談して、今回、軸にする本を決めました。
【サイレントシンガー』小川洋子作 (文藝春秋刊)


『博士の愛した数式』の作者小川洋子さんによる最新作で、ことばよりも沈黙を愛する人々の間で育った少女の物語です。

この本を軸としつつ、その他の本の話に広がるもあり、ことばの力や役割を語るもあり、ことばの学びや教えに及ぶもあり。最終的には「人間にとってのことばの意味」を考えることになるのかどうか? その展開は、当日の演者とみなさまのお話次第です。

ご参加の皆様には、【サイレントシンガー』小川洋子作 の本を読んできていただきますようお願いします。演者のお話を一方的に聞くだけではなく、共に舟を漕ぎ出すように、ことばについて考える時間を共有していただければと考えています。

テラ(小林)から一言
「ことば」の力を信じています。自分の思いを見つめ、人のことばを深く聞き、ことばにして伝え合うことで、人は理解し合い、ことばは武器に代わる力を持つと信じています。
私と苅谷夏子さんは中学校時代に「大村はま先生」という大きな国語教師に出会い学びました。テラでは数年前から苅谷さんをお招きして「ことばの会」を続けています。
「今回のテーマはことばと本」です。
苅谷さんに金水先生、仲野先生を繋いでいただき、小さなギャラリーにはどう考えても贅沢すぎる3人の講演者とともに、会場の皆さんも交えて会を展開してみたいと思います。

参加ご希望の方は、テラ(小林亜里)までご予約ください。
会場定員になりましたら締め切りとさせていただきます。
(お申し込みはHPのお問い合わせ欄からも可)