****テラ通信 2026年8月 ****
暑かった夏、いかがお過ごしでしたか? 熊本の地震や千葉の水害もありました。
私は、海に行ったり川に行ったり地域の祭りや家で暑さにうだったり、良くも悪くも暑い夏を満喫した感があります。
今夏は、良かったこと(不思議だったこと)とショックだったことがありました。
良かったことは、久々に丹後の海で泳いだときのこと。そこには、我が家が3世代にわたって夏になると行っていた場所があり、長年お世話になっていたお宅がありました。今は住まい手がなくなられて、常住する人はいらっしゃらなかったので、私たちはその近くにたまたまネットで見つけた民泊の宿を見つけて泊まりました。
海で泳いだ夜、かつてお世話になった懐かしいお宅の前を通ると、「家の奥に灯りが見えた気がする」と夫が言います。あわてて見に行きましたが、人がいる気配はなし。でも、そのことがきっかけとなり、その夜、夫はもう10年ぶりくらい?にそのお宅の息子さんに電話をかけました。息子さんは他所に住まわれていて帰郷されていませんでしたが、お姉さんにも連絡してくださり、舞鶴に住むお姉さんは、翌朝私たちの宿に訪ねてきてくださり話が弾みました。
そして、わかったこと。私たちの泊まった宿のすぐ前は、今は畑になっていて気づきませんでしたが、かつて野墓だったところで、お世話になった家のおじさんおばさんが亡くなられた時、私たちもお葬式の行列に従いこの野墓まで来たことがあったのです。今は野墓はなくなり、その奥に墓石が立ち並ぶ墓所があり、お世話になった方々もそこに眠っていらっしゃるとのことでした。
その方々が久々にやってきた私たちを見つけて、「よう来たな」と合図を送ってきてくれたような気がしました。不思議ではあったけれど、怖さとかではなく嬉しさが心に残る出来事でした。
もう一つはショックだったこと。
それは、毎年欠かさず家の前の下長者町通から眺めていた大文字の送り火が、今年、通りの先に一軒のマンションが建ち、全く見えなくなってしまったことです。ご近所界隈の方は、皆さん、家の前の通りから大の字の火を眺め、ご近所とも声をかけ合いながら、幼い子供から老人まで、ご先祖を見送り手を合わせるのが恒例でした。今年も大勢の方がいつものように通りに出てこられましたが、全く火が見えないことに呆然として、「なんでや…」「あかんわ…」と失望の声を呟きながら帰っていかれました。
これは、単なる景観の問題ではなく、個人の問題でもなく、大人も子供も老人も含め、町中の人が共有する祈りの心を奪われたような喪失と感じます。京都は今空前の観光ブームと言われますが、実は、根本的な大切なものをどんどん崩してしまっているのではないか、観光都市としても自ら価値を下げていっているのではないか、と思いました。
どちらの出来事も、人の心の奥にある大切なものに触れる部分のように思えます。私は信心はきわめて薄い方ですが、自分は自分一人で立っているわけではなく、自然や歴史や文化や先祖や見えたり見えなかったりするもの、多くの積み重なってきたものの中で存在しているということを忘れてはならないだろうと思います。そのしっぺ返しは一体?
お盆の時期を過ぎて、そんなことを思う今日この頃です。
【これからの催し】
8月25日(火)〜8月31日(月) 内山貞和・森口信一作品展 清滝テラ
内山さん、森口さん、準備が進んでいるようです。どんな作品が来るでしょうか?
内山さんは元々は彫刻や金属工芸の作品を作っておいででしたが、いまや、木の実や貝殻、石、縄文土器、さらには人がその生活の中から生み出してきたあらゆるものを使って作品を作っておいでです。
森口さんの「栗の生木」にこだわっての「我谷盆」の数々。ワークショップは早くに満席となりましたが、作品は会期中いつでもご覧いただけますし、ワークショップをやっているところもご覧いただくことができます。お越しをお待ちしています。
10月3日(土)〜10月12日(月)江崎満 木版画と陶展
能登よろみ村から江崎さんがやってきます。能登山中に居を構え、釣りをして、鳥や虫や植物や動物と共に生きる江崎さん。作品のテーマは「いのちの不思議と輝き」。以前から制作されてきた「山」シリーズは、「春 山笑う」「秋 山粧う」「冬 山眠る」が出来て、残るは「夏」。今展で山の四季がそろって、会場に勢揃いできることを期待しています。さあ、会期までに作品は出来上がるでしょうか?ドキドキです!
10/3と10/10には嵯峨嵐山の発酵食堂カモシカさんのお弁当
10/6には綾部のあじき堂さんの出張そば 会場にて食べられます。
10月24日(土)25日(日)26日(月) すっぴん!マルシェ
やる人も来る人も好きなことを楽しんで、体も心もすっぴんピカピカになっちゃおうという「すっぴんマルシェ」が行われます。4回目の開催となります。
アロマを使ったリラックス体操やカードリーディング、ボイスヒーリングなどのヒーリング、アジア、アフリカの布や紙などを使ったハンドクラフトの展示やワークショップ、インドカレーや玄米米粉のパン、お菓子、火鉢を使ったミーティングやおくどさんを使った打ち上げなど予定されています。くわしくはテラのブログやSNSをご覧ください。
11月17日(火)〜11月22日(日) 小林斐子草木染織展
年初めには11/10からとご案内していましたが、上記の通り日程が変更となりました。滋賀県高島の自然から色を取り出し、草木染して、手織りして、着心地良い服に仕立てる小林さん。長年のおつきあいになりますが、そのエネルギーは衰えず、いつもまわりには人が集い、手や口を動かしています。「命ある限り織る」とおっしゃる言葉は力強く、私も作品からもご本人からも元気をもらっています。ワークショップも予定ありです。
11月28日(土)〜12月6日(日)hisaka&中村ちとせ作品展
陶芸家のhisaka(伊藤久佳)さんと銅版画家の中村ちとせさんの二人展を行います。hisakaさんはメキシコに住んでおられたこともあり、中村さんもアジア、アフリカなど世界各地を旅して、そこからインスパイアされて作品を作っておられます。そんな二人の展覧会は「旅」がキーワード。人はみな旅人でもあると思うけれど、お二人の「旅」は作品にどう反映されているでしょうか。会期中にはアジアやメキシコの食を味わえる日もあり、太鼓のミニライブもあり。どこか遠い世界に旅する気分を味あわせてもらえるのでしょうか?

京の夏の終わりの風物詩「地蔵盆」。コロナ期以降縮小傾向が続いていましたが、今年は久々に夜店も復活。路地に子供たちや近所の人たちの声が響きました。