少し先になりますが、11月11日に、山間にある小さなギャラリーにはどう考えても贅沢すぎる3人の講演者をお招きして、「ことばと本」をテーマにした会を開きます。
ギャラリーテラ「ことばの会」
〜一冊の本から「ことば」について考える〜
開催日 2025年11月11日(火) 13:30〜16:30
会場 清滝ギャラリーテラ(京都市右京区嵯峨清滝町11−2)
講演者 苅谷夏子・金水敏・仲野徹 各先生
参加費 2000円 要予約
内容について
前半は、3人の講演者の先生方にそれぞれが研究されてきたこと、取り組んでこられたことなどをお話しいただきます。
後半は、鼎談形式で演者も会場の来場者も一緒になって、1冊の本を軸して、読書会形式でお話を進めていきます。

苅谷夏子(かりや なつこ)先生
1956年東京生まれ。大田区立石川台中学校で、単元学習で知られる国語教師・大村はまに学ぶ。大村の晩年には傍らでその仕事を手伝い、その没後も、大村はま記念国語教育の会事務局長として、大村はまの仕事に学び、継承しようとする活動に携わっている。東京大学国文科卒。結城紬の手織り技を持ち、生きものと人の暮らしを描く著書もあり。
主な著書に 『評伝大村はま』(小学館)『大村はま 優劣のかなたに』『ことばの教育を問い直す』(鳥飼玖美子、苅谷剛彦との共著)『フクロウが来た』(筑摩書房)『タカシ 大丈夫な猫』(岩波書房)など。
金水敏(きんすい さとし)先生
1956年大阪生まれ。放送大学大阪学習センター所長、大阪大学名誉教授。日本学士院会員。令和5年度文化功労者。日本語の歴史的変遷、存在表現、役割語などについて、古典から現代の小説、アニメ、ドラマ演劇に至る幅広い素材から解き明かす日本語学者。
大阪大学文学部長当時、卒業式で述べた「文学部の学問が本領を発揮するのは人生の岐路に立った時だ」という式辞の言葉は多くの人の心に響く。著書に『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(岩波書店)、『日本語存在表現の歴史』(ひつじ書房)、『役割語研究の地平』(くろしお出版)、『コレモ日本語アルカ? 異人のことばが生まれるとき』(岩波書店)『大阪ことばの謎』(SB新書)など。
仲野徹(なかの とおる)先生
1957年大阪生まれ。日本の生命科学者。大阪大学名誉教授。専門は幹細胞研究。
内科医から研究の道へ進み、ドイツ留学、京都大学医学部講師などを経て、大阪大学大学院で生命機能研究科および医学系研究科の教授を長年務める。専門の「いろんな細胞がどうやってできてくるのか」に関する著書も多く、ノンフィクション書評サイトや新聞書評に執筆するなど、大の読書家としても知られる。新刊に『仲野教授の この座右の銘が効きまっせ!』 (ミシマ社)。
3人の講演者の先生方とご相談して、今回、軸にする本を決めました。
【サイレントシンガー』小川洋子作 (文藝春秋刊)

『博士の愛した数式』の作者小川洋子さんによる最新作で、ことばよりも沈黙を愛する人々の間で育った少女の物語です。
この本を軸としつつ、その他の本の話に広がるもあり、ことばの力や役割を語るもあり、ことばの学びや教えに及ぶもあり。最終的には「人間にとってのことばの意味」を考えることになるのかどうか? その展開は、当日の演者とみなさまのお話次第です。
ご参加の皆様には、【サイレントシンガー』小川洋子作 の本を読んできていただきますようお願いします。演者のお話を一方的に聞くだけではなく、共に舟を漕ぎ出すように、ことばについて考える時間を共有していただければと考えています。
テラ(小林)から一言
「ことば」の力を信じています。自分の思いを見つめ、人のことばを深く聞き、ことばにして伝え合うことで、人は理解し合い、ことばは武器に代わる力を持つと信じています。
私と苅谷夏子さんは中学校時代に「大村はま先生」という大きな国語教師に出会い学びました。テラでは数年前から苅谷さんをお招きして「ことばの会」を続けています。
「今回のテーマはことばと本」です。
苅谷さんに金水先生、仲野先生を繋いでいただき、小さなギャラリーにはどう考えても贅沢すぎる3人の講演者とともに、会場の皆さんも交えて会を展開してみたいと思います。
参加ご希望の方は、テラ(小林亜里)までご予約ください。
会場定員になりましたら締め切りとさせていただきます。
(お申し込みはHPのお問い合わせ欄からも可)