月別アーカイブ: 2019年1月

竹紙照明合評会

12月に京都精華大学プロダクトデザイン学科・小山格平先生の授業で学生さんたちに竹紙漉きの体験をしてもらったのですが、今日は制作した竹紙照明のプレゼンテーション・合評会の授業があり、参加させていただいてきました。

 

一人ひとりが、どんな場所でどんな目的で使用するのかコンセプトを明確にして、自分の作った竹紙照明をプレゼンテーションしていきます。

 

 

紙を漉くところからご一緒したので、竹紙の微妙な繊維の違いも感じて使い分けてくれていたりして、それぞれの工夫が感じられます。

制作した作品は最後に廊下に展示しましたが、薄暗い廊下が彩り、とても良い雰囲気になりました。

どれが一番、ということでは決してないのですが、独断と偏見で、毎年私がビビッと感じるところがあった作品1点に「テラ賞」を出しています。今年はこの作品を選ばせていただきました。

ブック型の竹紙が蛇腹のように円形に並び、可動式になって明暗陰影に変化がつけられる、というアイデア、工夫のしどころに1票入れました。

 

 

2019年の始まりに

新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、私達が有限会社テラを設立したのは1998年の秋、実質的に竹紙の店とギャラリーを始めたのは1999年1月のことでした。はじめは寺町二条の京町家からスタートし、2010年に拠点を西陣と清滝の町家に移しました。テラとしての活動は一貫してきましたから、今年、テラは20周年の記念の年を迎えることになります。

たくさんの方に出会い、たくさんの方に支えられてここまで来ましたことを、心より感謝申し上げます。

今年はこの20年を振り返りこれからの日々を見つめる催しを、1年の間にあれこれ企画していきたいと思っております。今年全体の詳しい日程と内容は改めてお知らせいたしますが、まず、1月には、二つの催しを計画しています。

★1月6日(日)テラ漆部新年作品発表会

すでに昨日実施されましたので、ちょっとその様子をご紹介しましょう。

去年の8月末に昨年度の部活を終えた際に、少し時間をおいて乾かした後、それぞれが仕上げた漆器を使って料理会をしましょう!とみなで決めていました。
で、今日はめいめい漆器をイメージしながら料理を持ち寄り、久々の再会を喜びながら、楽しい会が実現したのでした。

紅白なますを利用したいなり寿司、具だくさんの白味噌雑煮、こんにゃく芋を土から掘り出し木灰の灰汁で固めたこんにゃくの刺し身、オニグルミの実を使ったほうれん草と人参のくるみあえ、

小鯛とノドグロの笹ずしの入った箱は、もとはお酒の入っていた木箱で、部員・向坂さんがこれに漆塗りを始めたときは、「なにに使えるのかなあ?」と思っていたのだけれど、こんなにピッタリの用途で再登場しました。

ブルーベリー入りのチーズケーキ(部員・ひろこさんの家の庭で収穫したもの)の載ったお皿は、もとは部員吉田さんのお母さんの木彫り、長年放置されていたそうで、塗りだしたときは鏡か花台しか思いつかなかったけれど、仕上がってみたら、なかなか素敵なお皿の役割にも。

その他、器やカップ、お盆焼きから手彫したスプーンやフォークなどいろいろ、、、

手をかけ時間をかけて仕上げた作品は、数ヶ月を経てみると、塗り終えたときとは少し色合いも澄んで変化してきているようです。よそゆきではなく暮らしに使えるものを、と目指した作品ですから、いちばんふさわしい形で発表できたなあと思えて、嬉しい素敵な会になりました。