月別アーカイブ: 2018年7月

愛宕山の千日参り

7月31日は愛宕山の千日詣りです。この日は夜通し登山道に灯が灯り、お山に登る人が絶えません。老いも若きも男も女も、自分の足で登るしかない愛宕山。なかなかしんどい山ですが、京都では火伏せの神として知られ、多くの京のダイドコには、愛宕神社の「火の用心」のお札が祀られています。3歳までに登ると一生火の難に合わないとも言われ、幼い子供を連れての登山も多いです。料理や陶芸など、火を使う職人さんの中には、年参り、月参りを欠かさない人も多くいます。なにせ、この日に登れば千日登ったご利益があるということですから、頑張りがいもあるというものです。

昨年は一晩中ギャラリーを開けていたのですが、今年は8月1日から能登にテラ出張ツアーに出かけることとなりました。残念ながら今年の千日詣りにギャラリーはオープンしておりません。

登山されるみなさん、お顔を拝見できずに申し訳ありません。一日早いですがお山に登られる方に遠隔よりお声かけさせていただきますね。「おのぼりやす!」。

江崎満展のご案内

9月1日(土)〜9月9日(日)江崎満 木版画と陶展 開催します。

能登の山中で木版画を彫って刷り、土をこねて壷や皿を作り、海でカヤックを漕いで魚を釣り、野花や昆虫や鳥を見守り、我が命を生き切る、江崎満さんの展覧会です。

これは先日、大物の鯛を釣り上げた江崎さん。かなりの大物を釣り上げた直後で、顔もワイルドな感じですが、実物の方がもう少しチャーミング、と思いますよ。

会期中は、能登より江崎さんが会場に滞在されて、たくさんの作品とともにガッツリ向き合ってくださるのはもちろんのこと、江崎さんと縁を結ぶミュージシャンの方々の投げ銭ライブもあります。

9月1日(土)14:00~15:00 デュオ睡蓮(井原伸二さん、久美さんによるツインギターとボーカル)

井原さんは古くからの江崎さんのご友人ですが、デュオ睡蓮のオリジナル曲には、江崎さんの作品「春の太陽」にインスパイアーされて生まれたという同名の作品もあります。お二人にとって、江崎さんの作品はジャンルを超えて響き合うものがあり、大きな意味があるのだと思います。会場で作品を眺めながらお二人の演奏と伸びやかな歌声をお聞きできることを楽しみにしています。

9月5日(水)8日(土)14:00~15:00 音庭園(村田聡さん、ひろこさんによる即興ピアノと声の調べ)

村田さんは、かなり頻繁に清滝山中にある空也の滝で滝行をされているピアニストです。数年前、江崎さんの展覧会の最中に偶然立ち寄ってくださったのがご縁の始まりですが、やはりジャンルを乗り越えて響き合うものがあったのだと思います。即興のピアノと、ひろこさんの「声」、声って楽器だったんだなあと思うお二人のセッションが独創的で素敵です。

さて、今回の展覧会では、綾部のこだわりの手打ちそば処「あじき堂」の創作蕎麦が食べられる日もあります。

9月5日(水)6日(木) 12:00〜14:00ごろ。あじき堂の安喰健一さんも、江崎さんとは福井で修行されていた頃からの古いご友人ですが、今は綾部で農業とそば作りを営んでおられて、次に展覧会をする時には、そばも食べられるようにしよう!と以前から江崎さんよりお話が出ていました。

あじき堂では、夏限定で「鶏トマトそば」という創作そばのメニューを出すのだそうですが、店でこのそばを出す時には、江崎さんの「トマト羅漢」という木版画を飾っているのだそうです。「確かにな!」と思わせられる楽しいコラボだと思いますよ。

まさに人と人、作品と音楽と料理がコラボレーションした展覧会となる予定です。
まだまだ暑い今年の夏ですから、会期中に川遊びをしたり、お散歩に出かける日もあってもいいねと、江崎さんと話し合っています。

いろいろ書いていたら、江崎さんの作品の解説が少なくなりましたが、またおいおい紹介していきたいと思います。どうぞ会場にお運びくださいね!

 

暑中お見舞い申し上げます

猛暑、酷暑という言葉が本当にぴったりすぎる今年の日本ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?西日本の各地をあの恐ろしい大雨が過ぎた後は、連日最高気温が38度から39度という猛烈な暑さが続き、たまらない日々でした。今日は台風の影響で少し涼しいですが、それもまた心配な状況です。いったい地球はどうなっていくんでしょう?SF小説や映画で見ていた近未来の光景が、真実味を帯びてくるようなこの頃です。

さて、7月のテラは、清滝での展覧会はなく、西陣テラのみ営業しています。で、何をしているの?と聞かれれば、現在清滝テラは「天然の室(むろ)」と化していて、毎週うるし部の部活動が行われています。

2〜3年前に「日本の漆のこれまでとこれから」という展覧会を企画し、日本の各地に残っていた生活に密着した漆のことを見つめ直す機会を持ちました。その素朴で堅牢な漆器の魅力を知るにつれて、もっともっと暮らしの中で使える日本のうるしが復活できたらいいなあとの願いが高まりましたが、そんな時に思いついたのが、梅雨時から夏にかけて湿気に悩まされる清滝テラ。高温多湿のこの環境は漆塗りに最適かも?と思い、逆転の発想で漆塗りを楽しむ「うるし部」を立ち上げました。素人ばかりですから、あまり細かな決まりごとにはこだわらず、ただし、国産の木地と国産漆にはこだわって、参加者の皆さんと拭き漆を楽しんでいます。

  

回数を重ねるごとに、深みが増して、色艶も良くなってきました。

これらの漆塗りが出来上がったら、一度うるしの器を使った食事会をしてみたいものです。

今は、高温多湿の室内で滴る汗を拭うこともできず(手は漆のついた手袋をしていますから)、ある時は黙々と、ある時は和気藹々と、漆塗りをしていますが、暑さの合間のお楽しみは、清滝川での水浴びです。正直なところ、もう「川にでも入って水に浸かっていなければやってられません」という気分です。ギャラリーで水着に着替え、歩いて数分の川べりから川に身を浸せば、最初は冷たい澄んだ水に震えますが、そのうち慣れてきて、青空を見上げて流れに身をまかせるも楽し、ザッブ〜ンと岩場から飛び込むも楽し、猛暑も忘れて気分は最高です。うるし部は8月も活動予定です。

また、8月には、能登のよろみ村に出張ツアーに出かけます。こちらもまたご報告したいと思っています。

次の清滝テラでの展覧会は、9月1日(土)〜9日(日)の「江崎満 木版画と陶展」となります。間もなく展覧会のチラシも出来上がってまいりますので、どうぞお楽しみに。近日中に詳細お知らせしたいと思っています。どうぞみなさん、雨にも台風にも暑さにも負けずお元気でまたお目にかかれますように!