月別アーカイブ: 2016年8月

「紀伊国の手しごと作家たち」展のお知らせ

9月17日(土)~9月25日(日)11時ー17時(最終日16時まで)

和歌山県紀伊半島の山中に在住し、暮らしの中で手しごとモノづくりに励む9人の作家展を開催します。

竹紙を作る今竹生さん、綿から手紡ぎ手織りする菅野あゆみさん、地元の木材を使い家具を作る木工の松本泉さんなど、龍神村の方々のところへは以前から幾度も通っていて、そこもなかなかの山中と思っていたけれど、今回の展覧会のために、他の方々の工房や住まいの場もお訪ねして、山深い地で、自分たちの暮らしとものづくりをする姿勢にあらためて敬服の感をおぼえました。

手しごとのモノのうしろには、人がいて、暮らしがあり、地域がある。人の生き方や土地が見えてくると、モノって俄然おもしろくなりますよ。作品にも作家にも出会ってみて下さい。

 

(画像をクリックすると拡大します)

オリンピックの熱戦を見ながら

連日深夜のオリンピックを観戦していて、寝不足の日々が続いているが、このあとに続くパラリンピックも楽しみにしている。
今年はいつもにもましてエールを送りたい理由があるー。なぜなら、ちょっと縁のある選手が出場するはずだから。

話はもう25年以上前のこと、少し長い話になる。

京都に来て間もない私は、知る人も少なく、この地でどう生きていくのか模索中だった。
なにせ、夫以外に関西に知り合いは誰もいなくて、その夫も当時はずっと東京で仕事をしていた。私は夫の実家で義父を看るべく、幼い子供2人と2匹の犬を連れて東京から引っ越して来て、まもない状況だった。
ある日、北野天満宮前の喫茶店に入って一息ついていると、ふと1枚の紙に目がとまった。「英会話教えます」。
店にいた若い女性に聞いてみると、彼女の夫君がイギリス人で、英語を教えてくれるのだと言う。時間にもゆとりがあったし、この際、英語ももう少ししゃべれるようになるといいかもと思い、週に1度の英会話の家庭教師をお願いした。

気持ちの良いイギリス人青年で、英会話はもちろん、イギリスの文化や風習、ものの考え方なども教えていただき、あれこれ話した。はっきり覚えていないが、1年かもっと長く続けただろうか?

そのうち、私は琵琶湖岸に新しくできるという博物館(琵琶湖博物館)の開設準備の仕事につくことになり、英会話の勉強は途切れてしまった。
さらにそれから何年かして、寺町通の町家でテラを始めることになり、仕事にも加速がかかる日々となった。

そんなある日のこと、テラに、イギリス人の英語の先生と喫茶店にいた日本人の奥様のご夫妻が訪ねて来てくれたのだった。たしか、テラを始めたことが新聞記事になり、その記事を見て来てくれたのだったと思う。久方ぶりの嬉しい懐かしい出会いだった。
お二人にはお子さんが生まれていて、幼い少女がテラの2階を小走りに元気よく走っていたのをよく覚えている。実はそのとき、彼女のTシャツから出た腕が片腕であることに気づき、ハッとしたのだが、私もご夫妻もそのことについて話すことはなかった。

それからお二人、いや三人とは会う機会がないまま、長い日が経つこととなった。でも、彼女たちのことは、心の中に残っていて、どうしているかなあと思うことが時折あった。

そして、それから15年以上が過ぎた今年、新聞やネットのニュースで彼女の近況を知った。
彼女はスイマーになっていたのだ!
高校、大学と活躍目覚ましく、19歳の現在、個人メドレー、自由形短距離など、いくつかの種目で日本記録保持者となっているらしい。名前を見て、きっと彼女に違いないと思っていたところ、リオのパラリンピック代表選手としても選出されたことも知り、秘かにドキドキしていた。
ご両親が伸びやかに彼女を育て、彼女もそれに応えたのだろうと思う。

さらには、今、彼女はテレビのCMにも登場している。
「イチローが嫌いだ」という印象的なナレーションで始まるトヨタのCM、見たことある方も多いかと思うが、オリンピックアスリートが登場するいくつかのパターンのひとつに、彼女が泳ぐ姿が登場しているのだ。

一ノ瀬メイさん、19歳。
テレビの向こう側から、地球の反対側から、遠いながらも不思議な縁を感じながら、力強く応援しています!がんばれ!!

トヨタのCM

http://toyota.jp/wows/special/sports/ichinose.html

夜の二条城にて七夕文様帷子を

今日は夜の二条城へ行ってまいりました。


昨年清滝テラでも展示をしていただいた、後藤順子さんと高橋裕博さんの「七夕文様帷子」(国立博物館の美しい着物を二人が4年半の月日を掛けて再現したものです)が、京都市主催の「京の七夕」の一環として、世界遺産二条城の、国宝二の丸御殿台所にて、8月12日まで展示されているのです。


私はご近所ですので、自宅から自転車に乗って、夕涼みがてらに出かけましたが、城内は随所にライトアップされていて、海外の方や浴衣姿のカップルなどたくさんの人!
二の丸御殿では琴の演奏もあり、華やいだ雰囲気です。


そんな中、後藤さん、高橋さんも会場に詰めておられ、七夕文様帷子の展示はもちろん、お二人による制作解説などの時間もありました。

海外の方々も興味を持って見て下さっていて、希望者にはちょっと着物を羽織らせてくれたりもしていましたよ!


展示は8月12日まで、時間は夜19:00~21:30(入場21:00まで)。二条城の入場料大人500円が必要ですが、夕涼みがてら二条城城内も散歩でき、気持ちよかったですよ。

ジャワ更紗展報告

あれこれしているうちに日々は飛ぶように過ぎてー。

8月3日から7日まではジャワ更紗展でした。

会期中に会場の様子をアップしようと思いつつ、久しぶりの人々に会ったり、遠方よりの来客ありで、あ~っという間に会期は過ぎてゆきまして、昨日で会期は終了しました。

先程塚本幸子さんは我が家から旅立ってゆかれました(実際に九州に戻られるのは明日朝ですが)。

遅ればせではありますが、展覧会の様子を少しご紹介しておきます。

 

暑い夏を鮮やかに彩るジャワ更紗の数々がやってきました。

 

様々な色や模様はすべて手描き手染め。細かにロウで防染し、ろうけつ染めで繊細な模様が描かれています。

 

ナラサキシノブさんに仕立てていただいたロングブラウスやジャケットも、おしゃれで快適な装いでした。

 

小物や衣服もあれこれありましたよ。

 

塚本幸子さんの説明に耳を傾けました。

 

初日は、塚本達彦さん特製のくらくら麺も楽しみました。

 

下界は連日37~38度の猛暑でしたが、清滝テラの中は30度を超えることはなく、「涼しい」とまではいきませんが、クーラーなしにもかかわらず過ごせることは、ありがたいことでした。

川では家族連れや若者たち泳ぎ、私も清滝に泊まった早朝には、空也の滝で心正すひとときも持ちました。

 

今は、ひと山越えて、ホッとしつつも清々しい気持ちです。