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夏の終わりの遊び心「内山貞和・北村美佳 展」

8月21日(月)〜31日(木)、夏の終わりの清滝で、内山貞和さんと北村美佳さんの展覧会が行われます。

内山さんは倉敷在住。ご自身の長年にわたる創作活動のほか、古民家を改修した「サロン・ド・ヴァンホー」なる空間を営み、これぞと思った芸術家を世に紹介するアートプロデュース活動や、地域を活性化する活動など、多方面にご活躍しておられます。京都で学生生活も送られた経歴から、京都にご存知のアーティストや芸術関係者のご友人も数多くいらっしゃって、ここ半世紀にわたる関西の芸術活動の歩みもよくご存じといえるのではと思います。

北村美佳さんは、滋賀県出身でやはり学生時代を京都で送られ、二科展や画廊での展覧会でも活躍中です。元々は洋画のスタートですが、滋賀の古民家に暮らされる中で、古材などへの愛着も増し、近年は立体造形作品も作っておられます。今回は夏色の鳥たちのオブジェをたくさん作り、遊び心を持って飛ばせてくださる予定とのこと。たいへん楽しみにしています。

さて、今回の展覧会のキーワードは「whimsy」ということばです。「風変わりな」とか「気まぐれな」と訳されることも多い言葉ですが、今回はそれを「遊び心」と捉えてみたいと思っています。
芸術に対し、本気で真摯に向き合うけれど、どこか遊び心ある作品展、それが今回の展覧会が目指すところです。

その一つの柱として、会期中の2日間、茶会を企画することといたしました。
小堀遠州の流れを汲む茶道山荘流の茶人である山田宗瑞氏にお手前をお願いいたします。
8月21日(月)と8月29日(火)、どちらも13時と14時半に予定しています。

一服のお茶をいただきながら、お二人の作品を眺め、今日の美術、芸術について風通し良く語りあう。本気で、真摯に、でも遊び心を持って。そんな一期一会の場になればと思っています。
どうぞご参加希望される方は、テラまでお声かけください。参加費は3000円です。

8月1日は時間の旅でした

展覧会の最終日は、清水範康さんによるギャラリートークがありました。
縄文の土偶を精密に再現しながら、金属であらたに細かく制作した作品や、今回のために木津川で採集してきた土器を使ったペンダントなど紹介していただきました。

木津川の河原には、今も室末鎌倉期ぐらいからの土器の破片がたくさん採集できるのだそうです。

皆、この「時代の旅」への採集ツアーにすっかり惹かれてしまい、清水さんをリーダーとして、土器ツアーに行こうではないか!と話が盛り上がりました。

空間だけではなく時間軸もまたいでの旅の話も、最終日にふさわしく、面白かったです。
最後の最後までお客さんも途切れることなく、「清滝テラで世界を楽しむ」展覧会、無事終了となりました。みなさま、ありがとうございました。

怒涛のインド、愛宕千日詣り

7月30日の清滝は「インド」の日でした。

パンジャブ州にあるゴールデンテンプルで行われているという「ランガル」方式を模して、床に座り、皆で分け隔てなく一斉にカレーをいただきました。料理を作ってサーブしてくれたのは、ポポダモムさん。実際にお寺で実食しただけでなく調理や皿洗いまでしてきたという女性です。

ギャラリートークは松岡宏大さん。地球の歩き方の編集やインドにあるタラブックスの本とも関わってきた写真家であり編集者です。1回目はインド先住民族についてだったようですが、階段途中まで溢れる満員の参加者のため、私、残念ながらお話し聞くことできず。

 

2回目のカレーの後には再びトーク。
今度は司会進行のワッテチャイさんに加えて、世界を旅して本も作り雑貨も販売するSnip!のお二人と松岡さんを囲んでの座談会で、旅の話をあれこれと。

こちらもクーラーなしの会場ながら、満員の人々。

現在、アメリカでも日本でも海外旅行する人の数は減っているのだとか。
松岡さんの「何度行っても旅先で足を踏み出す時にはいつもドキドキする」という言葉や、石原さんの「旅ではいろんなことが起きたりするけど、やっぱり若い人たちに旅に行ってほしい」という言葉を聞きながら、思わず頷く私でした。

世界にはたくさんの異なる人々がいて、異なる暮らしを営み、異なる文化のもとに暮らしている。世界には自分の当たり前とは違う世界がいっぱいある。やっぱりそれを知るだけでも旅に出た方がいいと思う。そして、旅ではしばしば想定外のことが起きるけれど、何かが起きないようにと考えるばかりでなく、起きた時にどうするか、が問われるのだと思う。
「若者よ、旅に出よ!」って、あら、なんか言ってること年寄りくさい?いやいやわたしもまた。

そして、なだれ込むように翌日は愛宕山千日詣り。

Watte chaiのチャイ屋さんと、ランビーくんのアルバラタ(全粒粉とじゃがいものおやき風)は道ゆく人の喉とお腹を潤して、夜更けまで続いたのでありました。

そして、オールナイトの夜はふけてゆきました。