西陣テラ」カテゴリーアーカイブ

竹紙ワークショップその2終了

「町家の日」に協賛して行われましたイベント「竹紙手漉きワークショップ」を3/4、3/8ともに無事終えました。

3/8も和やかに楽しく作業やお話が弾みました。若い方から88歳の方まで男女のご参加があり、紙や竹や工芸に関心ある方、町家の暮らしに関心ある方、いろいろの方がおいででした。

国籍も日本だけでなく、韓国の方やフランスの方もいらっしゃって、韓国の方もフランスの方も、日本人顔負けに紙のことに詳しい方で驚きました。

ワークショプは、竹切り後の漬け込み、煮熟、叩解などの工程を実際に見ていただただき、一部体験もしていただいてから、紙漉きに挑戦。
A4とハガキサイズのキナリや竹皮入り紙を漉いた後は、藍染めや草木染めの竹繊維を模様にした竹紙にも挑戦していただきました。それぞれ個性豊かなオリジナル竹紙が漉き上がりました。

日本の家はもともと木と土と紙でできていて、紙は暮らしに溶け込んでおり、利便性もあるかと思います。書画としての紙の利用の他にも、町家の暮らしの中に、もっともっと紙が生きていってくれたらよいなと思っています。 竹紙がその一助になれば幸いです。

「町家の日」ウィークに手漉き竹紙のワークショップその1

「町家の日ウィーク」のはじまり。
竹紙ワークショップ第1回目無事終了。

今日は人数にも比較的余裕があったのでゆったり、と思っていたら、みなさんとついつい話し込んで、予定時間を1時間もオーバーしてしまいました。

しかも、肝心のみなさんが紙を漉いているところ、写真撮り忘れ(夢中になって作業し出すと、写真を撮ることに頭がいかない)。

これは漉く前の材料叩きの様子。

みなさん素敵な紙が漉けましたよ。

日本はともかくアジアの紙漉きの話から、古文書美術品の修復作業の話まで、 紙漉き作業と紙談義に花が咲いた1日でした。

「町家の日」は3月 12日まで、京都のたくさんの町家会場で様々なイベントが展開されています。
町家の日 https://machiyanohi.jp
テラの竹紙ワークショップの第2回目は3月8日です。

竹紙手漉き体験募集します!

寒さと大雪に縮まっていた1月が過ぎ、2月も半ば近くとなりました。
節分を終え、「立春大吉」という言葉を聞くと、まだ寒くても、春の近さを感じるような気がします。光の明るさにも「春は近い」「もう少しの辛抱」と感じられて、救われる気持ちです。

テラの催しは3月からですが、そろそろいろいろな準備を始めなくては。企画を練り込んだり、清滝のメンテナンスを進めたり、少しずつ動き始めています。

3月4日(土)と3月8日(水)には、「町家の日」のイベントに参加する形で、今年も西陣テラにて「竹紙手漉き体験」のワークショップを行います。両日とも内容は同じで、時間は午後1時30分〜3時ごろまで。参加費は2,000円です(手漉きした竹紙3枚持ち帰り、お茶とお菓子付き)。

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竹から紙ができる工程も、竹の漬け込み、煮熟、叩解など、実物を見ながらご説明し、繊維の叩解などすこし体験していただきましょうか。基本的な紙漉きや多少の応用篇なども楽しんでやってみましょう!

各日、定員は10名までとしますので、参加ご希望の方は、メールかお電話かファックスで事前お申し込みをお願いいたします!
皆様のご参加お待ちしています!!

町家の日について
https://machiyanohi.jp

 

雪の京都

1月24日の午後4時ごろまでは、市内に雪の気配はなかったんです。
「気象予報は10年に一度の大雪」なんて言っていたけれど、京都は大したことなさそうだな」なんてたかを括っていました。
それが5時過ぎごろ、急に嵐のような横殴りの雪となりました。

家(西陣テラ)の縁側(一応屋根はあるところ)は見る間に雪道のように!
まさに暴風雪ともいうような真横から吹雪く吹雪となったのです。

JR京都線が京都や山科の線路上で長時間立ち往生してしまったり、名神でも長時間の渋滞が発生してしまったり、大変な混乱となったことは皆さんご承知の通りですが、その前の時間帯があまりにも平穏な感じだったので、誰もがつい油断してしまった、あまりにも突然の変化についていけなかった、ということだったかなあと思います。

翌朝にはこんな様子で、積雪は15センチくらいでしたが、まあ、昨夕の暴風雪の激しさに比べると、静かな朝という感じでありました。

雪の朝は静かで世界が止まったようです。
個人的には雪の日は好きだなあという思いもありますが、やっぱり自然の変化は突然で怖いものだなあ、と、実感させられた1日でありました。

日本各地でも、いろいろな状況がありますね。油断は大敵。
まさに暦通りの「大寒」の季節。なんとか春まで元気で暮らしていけますよう、気を配って参りましょう。

2023年新年に

遅ればせながら、あけましてめでとうございます。
穏やかな年でありますように、平和な年でありますようにと、心から願います。

我が家(西陣テラ)の正月は、毎年あまり変わりません。
12月の中頃、事始めの頃から正月に向けての準備がはじまり、毎年30日が餅つきです。

庭先で杵と石臼で餅をつき、縁側で丸めます。

コロナ前は大勢の友人知人が集って飲んだり食べたり一日中賑やかでしたが、今は、身近な家族親族でしています。

最後は餅花を作り、柳の枝に飾ります。

そして、31日には、お煮しめ、たたきごぼう、かずのこ、黒豆、ごまめ、卵焼き、かまぼこ、蓮根など、まあ定番にちょっと家族の好みを反映したおせち料理をお重に詰め、元旦には白味噌雑煮と一緒にいただきます。
初詣は近くの北野天満宮にお参りします。

毎年あまり変わらないお正月ではありますが、「変わらない」ということもまた、貴重なことのようにも思えるこの頃です。当たり前のように思っていたことも、ある日突然そうではなくなったり、ずっと続くものだと思っていたことも続かないものだということを、私たちはこの数年で知った気がします。

大事にしようと思うものを大事にしつつ、丁寧に穏やかに暮らしてゆきたいと思っています。
まずは身近なところから、それを実行してゆきたいと思っています。

 

2023年竹紙干支はりこ

毎年恒例で作っている「竹紙干支はりこ」。

作り始めたのは1999年から。そう、ちょうど「卯」うさぎの年からでした!
干支は12年、12×2ですから、来年で24年目になります!

作者は向坂典子さん。陶器で型を作り、手漉きの竹紙をはりあわせて、最後は手描きで仕上げています。

西陣テラにて販売しています。御遠方の方にはご送付も致しますので、メールでもお電話でも、お声かけくださいね!値段は最初から変わらず1500円(プラス税=1650円)。税額が変わりましたので総額は少し変わりましたが、本体価格は24年間変わらずです。

長年のご愛顧に感謝いたします。

変わりゆく季節の中で、旅

季節は夏から秋へ、そして冬に向かっています。
暑さと寒さを繰り返しながら、次第に変わりゆく季節。

10月は展覧会を入れずに、数年ぶりに旅に出ました。
フェリーに乗って舞鶴から小樽へ、さらに日本海を北上して、稚内から礼文島へ。


礼文島に渡った日は、その年の北海道の山々に初冠雪が記録された日でした。
利尻富士も頂が白くなって、島に吹く風は強く寒く、気温は一桁、島の人たちも思わずストーブに火をつけていました。

島で、今回の旅の第一目的を達して、帰りに旭川に立ち寄りました。
こちらも大雪山系が真っ白になっていて、もう冬の訪れが近づいていることを感じさせられました。

旭川近郊の町に、ある人を訪ねました。
竹繋がりで、テラでも展覧会を開催したことがある竹工芸作家の近藤幸男さん。


10年近く前に本州から北海道に移り住まれて、北海道に自生する根曲竹だけを使って作品を作られています。寒さの厳しい北海道には、孟宗竹や真竹は生えていないので、細い根曲竹だけが材料です。クマに合わないように用心しながら、材料を調達し、竹を燻し、ヒゴを作って、制作に励んでおいででした。

どうしておいでかなあと久方ぶりにお目にかかりましたが、北の大地で、自分にしかできないお仕事をしっかり続けておいでの姿に、安心したり、勇気をもらったりしました。

本州にお住まいの頃は、花生けや茶道具などの繊細なお仕事が多かったと思いますが、それらに加えて、北海道ならではの生活雑器や川の水を濾過するための竹の堰?のようなものも注文を受けて作られることもあるとのこと。その土地の竹を使い、その土地にあった竹細工や竹工芸を作られていること、拝見できてよかったなあと思いました。

いつか、そうしたお仕事もテラでもお見せできる機会があるといいなと思います。
「北の竹工房」の近藤さんです。

ライブイベントに行きました

まだ寒かった頃に、竹紙の注文を受けました。
1m×2mの大判竹紙を5枚、大仕事です。
「ライブペインティングに使います」とおっしゃられるので、紙の厚みや繊維の質感など、依頼者とご相談を重ね、実際の竹紙は今竹生さんに漉いてもらいました。
暑さを感じる頃に竹紙は出来上がり、今日がそのイベント日でした。

宮沢賢治と草野心平の詩の朗読にライブ音楽とコンテンポラリーダンスがあり、そこでライブペインティングがおこなわれるとお聞きしたのですが、それ以上の予備知識はなく、出演者も知らず、どんなライブなのか想像もつかないまま、それでもやっぱり実物を見なくちゃと、会場に出かけたのでした。

竹紙はどんなふうに使われるんだろう?
ペインティング中に絵の具の水分で、紙が破れたりしないだろうか?
染み込み具合や描き具合も他の和紙とは異なるから、絵描きさんはイメージ通りにうまく描けるだろうか?
あれやこれや心配で、ドキドキしてしまいました。

5枚の竹紙はつなげられていて、最初は大きな障子紙みたいに見えました。

でも、裏からライトが当たると、繊維が浮かび上がって、紙の表情は豹変します。
その前で、音楽演奏と二人の役者さんの朗読、コンテンポラリーダンス、そして、ライブペインティングが行われていくのです。

時に表からも描かれましたが、多くは裏から描かれています。絵描きさんは影絵のようにシルエットが浮かび、その中に色と絵柄が浮かび上がっていきます。

さまざまな民族楽器をひとりで駆使されていた音楽演奏、草野心平と宮沢賢治を朗読という形で演じていたお二人の役者さん、何の音もたてずに、時に激しく、時にコミカルに、時に悲しく踊り続けたコンテンポラリーダンス、そしてそれらの進行と呼応するように90分をかけて描かれていったライブペインティング!

終わりの一つ前の詩は、とても美しくて命に満ちていてなんだか悲しくて、私にはまるで高村光太郎と智恵子の恋愛詩みたいだなあと思って聞いていたのだけれど、それは草野心平がモリアオガエルの産卵を詠った詩でした(そういえば草野心平といえばカエルでしたっけね)。

その詩が終わった時、絵はほぼクライマックスに達していて、私、なんだか思わず涙が込み上げそうになって慌てました。
こんな舞台の大切なシーンの一端を担えて幸せなことだったなあ。


「二人のソラに詠む」ケンジの宙と シンペイの天
ライブペインティング 平野早依子
音楽演奏 Akira∞Ikeda
コンテンポラリーダンス 古川アキコ
朗読 草壁豊 七井悠
企画 沼沢忠吉(アートスペース寄す処)

町家の日(March 8)

3月8日は町家の日(なぜならMarch8 まーちや だからだそうですよ)、と言うことで、西陣テラでは、この日竹紙ワークショップの2日目をおこないました。

 

みなさんとても積極的で、好奇心旺盛で、質問も多く飛び交いました。
シンプルな紙のほか、模様入りも作りましたが、それぞれ個性的です。

私はあとで一人一人の紙を剥がす作業をしましたが、これ、じっくりみていると、性格判断できそうです。「紙から人が見えてくる〜」な〜んて思いましたね。

 

いつも一人でする作業を皆さんと共にする竹紙ワークショップ、とても楽しいひとときでした。

西陣テラでの竹紙ワークショップ 1

西陣テラでの竹紙手漉きワークショップ(「町家の日week」町家の日普及実行委員会)の1日目。


急に嵐のような風が吹いたり、突然雨が降りそうになったりして焦ったときもあったけれど、皆、無心に、思い思いの紙を漉いて、あっという間に時間が過ぎてゆきました。

オンラインで伝えられることもあるけれど、やっぱり直に手を動かしてモノを作るのは楽しいですよね!