テラ通信4月号

4月号のテラ通信、郵送はもっと早くに出したのに、ブログアップが今月最終日の夜になってしまったあ。それでも4月中に出すことに意味あり、っと思い今日のアップです。

*****テラ通信 2025年4月*****

寒かったり暑かったり気候の変動が激しく、いつになったら春は来るんだ?とヤキモキしていましたが、そんな日々が嘘のように、いつの間にか、やっぱり春はやってきました。植物は芽を吹き、いろいろな花が咲いて、桜の花も膨らみ満開となり、やがて花吹雪が散っていきました。
卒業式や入学式や人と人との別れや出会いやスタートが繰り広げられる春でした。


写真は平野神社の桜と菜の花

【これからの催し】

5月13日(火)〜5月19日(月)
安藤卓美(陶芸)・吉川敦子(手織)・窪田謙二(木工) 作品展
新緑の清滝に三人のベテラン作家が集います。 西陣の伝統の技を独自のセンスで手織りして帯やバッグを作る吉川さん、山桜や栗などの広葉樹で木を生かした家具を作る窪田さん、民藝の流れから発し独自の作陶活動を続ける安藤さん、伝統を知りオリジナルを目指す三人による展覧会です。 会期中には、3人の作家による茶器や茶道具、しつらえなど、作品を使わせていただきながら、おいしいお抹茶とお菓子をいただき、それぞれのお話を楽しめる日を用意しました。
形式にこだわることなく、茶の心を楽しむお茶の会にしたいと思います。どうぞお気軽にご参加ください。 5月の清滝は、青紅葉と清流も美しい頃です。会場の中も外も味わいにいらしてくださいね。

*作家と作品を囲むお茶の会   *テラまでご予約ください 5月15日(木)、17日(土)13:30〜15:00  参加費 2,000円 抹茶と菓子付(聚洸、塩芳軒)

6月14日(土)〜6月22日(日) かつみゆきお 木の仕事と旅の写真
3月上旬からふらり世界旅に出ていたかつみさんが、1ヶ月余りの旅を終えて帰国されました。
空港から帰宅せずに、そのまま京都に車を走らせて来られ、記憶が覚めやらぬうちにと、旅のメモと写真データを預けて帰られました。その記録をもとに、新著の制作をご希望です。
6月の展覧会では、かつみさんの木の仕事と旅の写真、そして去年の長い入院生活から世界旅に出られた間の日記をまとめた文章を本にまとめて、皆さんにご覧いただこうと思っています。


帰国した日に京都西陣テラに現れたかつみさん

**番外編*大人の遠足***
6月7日(土)8日(日)すっぴんマルシェ in 大山崎
この2日間は清滝テラではなく、ちょこっと清滝を離れて、テラは大山崎に大人の遠足いたします。昨年清滝に集ったモノづくりメンバーとリラクゼーションメンバーが、大山崎にてマルシェを繰り広げる予定。
ラオス布、アフリカ布のクラフト、消しゴムはんこや絵、チクチク刺繍のハンドメイド、ヴォイスヒーリングやアロマヒーリングなど、体と心を緩めるヒーリングあれこれあり。
テラも竹紙をあれこれ持って出店予定です。型染め竹紙のワークショップも行います。
おべんと持って会場入りも可ですよ。お庭隣は重要文化財建築で有名な聴竹居。
心ゆたかにすっぴんになれるマルシェ目指します。ぜひ遊びに来てくださいね。

 

5月の展覧会「安藤卓美・吉川敦子・窪田謙二」作品展

安藤卓美(陶芸)・吉川敦子(手織)・窪田謙二(木工) 作品展
会期  5月13日(火)〜5月19日(月) 時間 11:00〜17:00 入場無料
会場  清滝ギャラリーテラ (京都市右京区嵯峨清滝町11-2)

新緑の清滝に三人のベテラン作家が集います。
西陣の伝統の技を独自のセンスで手織りして 帯やバッグを作る吉川さん、
山桜や栗などの 広葉樹で木を生かした家具を作る窪田さん、
民藝の流れから発し独自の作陶活動を続け る安藤さん、
伝統を知りオリジナルを目指す 三人による展覧会です。

会期中には、茶器や茶道具、しつらえなど 作品を使わせていただきながら、お抹茶と お菓子とお話を楽しめる日もあります。

5月の清滝は、青紅葉が美し句、清流もキラキラと輝いています。
会場も自然も、合わせてお気軽にお楽しみください。

4月です

気温も大きく上がったり下がったりしていましたが、いつの間にか花は咲き、春がやってきました。

西陣テラの庭にも春がきた。

カワヤナギ

コブシの開花

ユキヤナギ

ボケとハナスオウ

今は、ヤマブキやシャガも咲き出してきた様子。

近所の平野神社ではいよいよ桜が咲き出しました。

4月。行く人、来る人、旅に出る人、ゴールする人、スタートを切る人、さまざまな人が行き交う新学期の始まりです。

 

更新サボってしまいました

すみません、3月が飛ぶように過ぎ、すっかり更新が遅くなりました。
遅ればせですが、向坂典子展、さくっと振り返ります。

こちらは竹紙型染ワークショップの様子。
向坂さんの野花などの型からお好きなものを選んで、テラ小林が漉いた竹紙ハガキに型染めを。

それぞれ思い思いのオリジナルハガキが出来上がりました。

ランチタイムは薪ストーブで焼いたピザをいただきながら、同席した皆さんの話も盛り上がりました。

簡易金継ぎは、設定したワークショップは2回でしたが、そのほかの日にも希望者があり、展示の合間に直したいお皿や器の修復に取り組みました。

こちらは2日がかりで会場に来られて、大物修復に取り込んだ金継ぎ作品。
かなり木っ端微塵でしたので、どうなることか?!と思いましたが、じっくり接着と磨きに時間をかけられました。
最後の漆描きは金かな?銀かな?と思っていたところ、選ばれたのは予想外の赤漆。
漆の線自体が模様のようになり、新鮮大胆な作品に生まれ変わりました。

昼食は、おくどさんで炊いたご飯と向坂さんが畑で育てた野菜を中心としたおばんざい。
ご飯は向坂さんの地元の献上米を農家さんが住民にお裾分けしてくださったお米。さすがに香りも粒立ちも良く、美味しいお米でありました。カブをさっと焼いて塩を振っただけのおかずも、シンプルながら美味しかったなあ。

無事会期終了となり、向坂さんとうさぎのそうちゃんは福井に帰っていかれました。

 

 

 

いよいよ向坂典子展始まります!

向坂典子さんとウサギの碧(そう)ちゃんも無事会場入りして、搬入設営も概ね出来上がりました。


薪ストーブも赤々と燃えて、おくどさんの準備も万端、お米や野菜、加工品など、向坂さんが自家製や地元産の素材をたっぷり持ち込んでくれました。9日、12日、15日は、それらを使ってWSと昼食も用意いたします。

さあて、そんな出会いが待っていますか?楽しみです。

9日、15日の金継ぎとおくどさんのご飯
12日の竹紙型染と薪ストーブピザ
14日の野点茶会、受付中です。テラまでお電話かメールでどうぞ!

詳細はこちら。
https://terra2010.com/?p=4754

3月の展覧会「向坂典子作品展」

「町家の日」協賛企画
3月8日(土)〜3月16日(日) 向坂典子陶芸展
「食いしん坊のうつわ屋さん、町家に遊ぶ」         清滝テラにて

毎年おなじみの向坂典子展ですが、今年は「町家の日」の協賛企画展です。

3月8日は「町家の日」って知っていました?
March 8=まーち や=町家 ってことらしいですけど、3月8日〜16日までの期間、京都はもちろん、全国の町屋のある地域で、さまざまな町屋のイベントが開催されます。

テラも以前から関わりのある京町家つながりで、今年は清滝テラを会場として、向坂典子展と併せていくつかのワークショップを企画しました。

3月9日(日) 11:30〜14:00 簡易金継ぎ教室とおくどさんのご飯
3月12日(水) 11:30〜14:00 竹紙に顔彩型染めと薪ストーブピザ
3月15日(土) 11:30〜14:00 簡易金継ぎ教室とおくどさんのご飯
*参加費各日2500円(講習費、材料費、昼食代含む)

*金継ぎは、本漆と純金は使わず、パテと人工漆と真鍮金粉を使った簡易版ですので1日で仕上げて持ち帰れます。作業後には、テラのおくどさん(かまど)で薪でご飯を炊いて、ご一緒に昼食をいただきましょう。
*竹紙型染は、テラの手漉き竹紙ハガキに向坂さんの型を使って顔彩で型染めしてオリジナルハガキを仕上げます。この日はテラの薪ストーブを使って、手作りピザをご一緒に。

3月14日(金) 13:30〜15:30 清滝川原でお茶を
お抹茶かコーヒーとお菓子を早春の川原でいただく野点?ピクニック?(雨天の場合は室内で)
*参加費4000円(お好きな茶器1点と柿渋型染め布は茶会使用後お持ち帰りいただけます)

というわけで、皆様のご参加をお待ちしています!
寺までメールかお電話でお申し込みください。先着10名くらいまでです。

テラ通信2025年2月「今年の年間予定」

*****テラ通信 2025年2月 この年の始まりに*****

旧暦でも新年を迎えました。
立春大吉。遅ればせながら、新年のご挨拶を申し上げます。

昨年は元旦の能登の地震に揺れました。自然環境も世界も社会情勢もさまざまな変化の中にあり、個人もまた然りです。「ずっと変わらずにいたい」とも思うけれど、「変わらないものなどない」のだと悟り、前とおぼしき方へ、良きとおぼしき方へ、全力で走り続けるしかないのかもしれません。
それでも、今年はなるべく穏やかに、心身ともに余裕を持って、日々を送っていきたいなあと思っています。一人でなんでも抱え込まず、みなさまとも手を携えながら。
平和を願いつつ。
今年もよろしくお付き合いのほどお願いします。

なお、紙面を借りてのご報告になりますが、昨年の能登・よろみ村義援金につきましては、多くの皆様にご支援賜りまして誠にありがとうございました。
昨年中にテラを通してよろみ村龍昌寺にお届けした義援金は、総額で1,300,500円となりました。そのほか、直接送金された方、現地へ赴かれた方、いくつかの窓口から支援された方なども数多くあったとお聞きしています。どれもが心強い支援になったことでしょう。
昨年末段階での現況につきましては、よろみ村龍昌寺のご住職である村田遼雲さんが、インスタやフェイスブックにまとめてくれていますので、機会がありましたらご覧ください。
「よろみ村 遼雲」(@yoromimura) 参照。
昨秋の水害被害も大きく、米や畑づくりへの影響もあり、今後がまだまだ心配な状況ではありますが、テラを通しての義援金募金は、昨年いっぱいで終了させていただき、今後は作品展での展示販売やお米の販売支援など、活動のサポートに回れればと思っております。9月末には、よろみ村の村田啓子さんと能登のお仲間による作品展も予定しています。どうぞ会いにいらしてください。      (テラ・小林亜里)

 

2025年の催し予定

1月、2月は西陣テラのみ営業しています。竹紙のご用命は西陣テラにて承ります。

3月8日(土)〜3月16日(日)向坂典子陶芸展「食いしん坊のうつわ屋さん、町家に遊ぶ」「町家の日」協賛企画展          清滝テラにて
若狭の地で土をこねて器に焼き、柿渋染を行い、燻製や発酵食を作り、一からの十までのものづくりを楽しむ向坂典子さんの展覧会。今年はこの会期に行われる「町家の日」の協賛企画展として開催します。会期中、さまざまなワークショップや昼食を組み合わせた催しもあります。向坂さんとうさぎの碧ちゃんは、いつものように会期中会場入りされる予定です。

5月13日(火)〜5月19日(月)吉川敦子・窪田謙二・安藤卓美 作品展
もじり織、くし織など、独特の手法で手織りの帯やバッグを作る吉川さん、山桜や栗などの広葉樹で拭き漆の木工家具を作る窪田さん、倉敷出身で京北で作陶活動を続ける安藤さん、ベテラン3人による作品展です。茶道の世界にも繋がりある3人ですので、しつらえ、茶道具、器など、総合芸術としてお楽しみいただけるようなお茶会も企画中です。

6月14日(土)〜6月22日(日) かつみゆきお 木の仕事
静岡のベテラン家具職人、御年85歳になられるかつみさんによる「木の仕事」展です。昨年の展覧会後に体調を崩されて入院されましたが、見事復活し、再び制作と旅に忙しい日々だそうです。どうぞかつみさんと木の仕事に会いにおいでください。人生を励まされるのは私だけではないと思います。

8月25日(月)〜8月31日(日) 内山貞和+川勝英十津 作品展
倉敷にて古民家を再生されたギャラリー「サロン・ド・ヴァンホー」を営み、縄文から現代までこの世に遺されたもの、木や石や動植物の実や骨までつかってレリーフやアクセサリーを作る内山貞和さん。今年は内山さんが学生時代から刺激を受けてきたという、旧友にして花背在住の漆のベテラン作家、川勝英十津さんとのコラボレーション展をおこなう予定です。どうぞお楽しみに。

9月27日(土)〜10月5日(日)村田啓子 長瀬光恵、べアント 展
能登山中のよろみ村龍昌寺の大黒さん、村田啓子さんは、畑を耕し日々の料理を担う一方で、藍染、柿渋染、墨と書の作品を作っています。幸いにも地中に埋めた藍甕は地震で破損しなかったので、今年は藍染ができると張り切っています。
能登門前町のご友人で写真家でもある長瀬光恵さん、ベアントさんご夫妻もご一緒に展示参加される予定です。陰影が印象的な長瀬さんの写真も楽しみですし、ベアントさんはドイツ人ながら精進料理の達人で、会期中に腕を振るっていただく予定です。

10月18日(土)〜10月19日(日)すっぴんマルシェ
昨年夏に好評開催された「すっぴんマルシェ」をこの時期に予定しています。体も心もすっぴんになるリラクゼーションと展示を予定。詳細はこれから相談していきますね。

11月18日(火)〜11月23日(日)小林斐子草木染織展
滋賀県安曇川にて自然の植物から色を取り出し、糸を染め、手織りし、服に仕立てて、コートやジャケットなどを作る小林斐子さん。地域の女性たちとの活動も長年続けていて、会場はいつも賑やかな笑い声に溢れています。展示とともに、毎年、真綿引き草木染めや原始機などのワークショップもしています。秋の紅葉も楽しみです。
*今後、変更や増減もあり得ますので、詳細や最新のご案内はHPやSNSなどご覧ください。

2025年新年

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。

2025年は穏やかな年の始まりでした。
昨年はいろいろなことがあり、全力でがむしゃらに走り続けるしかない1年だったように思いますが、今年はなるべく穏やかに、心身ともに余裕を持って、日々を送っていきたいと思っています。
みなさまとも手を携えながら。心より平和を願いつつ。

 

緞通談義のご報告

アリアナキリム展無事終了しました。
展覧会最終日には、会場2階で、私の手元にひょんな事からやってきた謎の紙敷物をめぐって「緞通談義」を行いました。

左が私の所有する紙の敷物、右が赤穂古緞通(根来節子さん所蔵)です。

私の紙敷物の文様が、赤穂緞通の「網利剣・縁矢羽根文」という文様だと分かったことから、赤穂の方々とのつながりが生まれ、赤穂からは、赤穂緞通の織り手であり継承者でもある根来節子さん、阪上梨恵さん、吉田愛さんがきてくださり、赤穂市歴史博物館学芸員として赤穂緞通に関わってこられた木曽こころさんも参加してくださいました。
鍋島からは、長く佐賀県立美術館の学芸員を務められた宮原さんが、夜行バスで駆けつけてきてくださいました。
そのほか、Facebookでつながってくださった方、織りの勉強をしていらっしゃる方、テラの話を聞いて参加してくださった方なども集い、膝突き合わせての談義となりました。

前半は、宮原さんと木曽さんが、プロジェクターを使って、紙の敷物や緞通の歴史について調べられたことなどを発表してくださいました。

宮原さんは、福井に「ゆとん」と呼ばれる伝統的な紙の敷物があり、これは和紙を層にしてエゴマの油を塗ったもので、夏を涼しく過ごすための伝統的なものだったと教えてくれました。私の敷物との関連は定かではありませんが、日本には、和紙を使ってのそうした敷物の歴史もあったことなど知ることができました。
また、古物のオークションサイトや骨董関連の場所では、私が持っているのと同じ文様の紙の敷物がいくつか出ていることも教えてくれました。
また、お茶、煎茶道の世界では、「茶具敷」と呼ばれる敷物があり、お茶道具を置く敷物として、古更紗などが使われていたことから、こういった用途で紙敷物の使用はなかっただろうか、というお話も出ました。佐賀出身の売茶翁の話も、今回との関連はわかりませんが興味深い話でした。

木曽さんからは、赤穂緞通の歴史やその周辺のことについてご説明いただきました。
赤穂緞通は、鍋島緞通が藩の庇護の元に育てられてきたのとは全く異なる歴史を持っていて、江戸時代に生まれた「児島なか」という一人の女性が、たまたま見た中国の緞通に心惹かれ、二十数年の月日をかけて独自の工夫を重ね、明治時代に完成した織敷物です。

以後、赤穂ではいくつかの会社ができて、赤穂緞通が作られるようになり、皇室などでも御用達となり栄えたそうですが、戦争の影響を受けての物資調整により、継続が難しくなり、戦後途絶える寸前まで来ていたところを、市のプロジェクトにより継続への道が開かれ、根来さんたち20名の方々がその技術を学ばれ、次世代へと継承されているという、独特の歴史を持つ緞通でもあります。

「網利剣・縁矢羽根文」は、赤穂緞通の代表的な文様の一つで、別名「忠臣蔵」とも呼ばれる人気の紋様ですが、似たものは、鍋島や堺にもあり、元はトルコの北、カスピ海コーカサス地方にあったスマック織の文様にルーツがあるのでは、とのお話でした。
でも、私の紙敷物の紋様は、鍋島のものとは少し異なるので、やはり、赤穂か堺の網利剣文様だろうとのことでした。

明治期から昭和にかけての織敷物としては、「由多加織」と呼ばれる稲藁を使った緞通や籐の緞通も存在していたそうで、阪上梨恵さんが今回現物を持ってきてくださいましたが、由多加織は、無地の平織に織られた上から型染による染めが施されて模様が描かれていて、この時期には、日本独自のさまざまな素材、技法による緞通、敷物が、存在していたことも、今回教えていただきました。

談義後半には、皆で膝突き合わせて、私の紙敷物や、持ってきていただいた古緞通を見比べながら、また会場に敷いたイランキリムや鍋島緞通を見ながら、話が弾みました。
織物の表や裏、端をひっくり返したりしながら織り方の特徴を見たり、紙敷物の破れたところから繊維の素材を考えたり、皆であれやこれや話しているうちに、あっという間に時間が過ぎました。

私も皆さんのお話を聞き逃したくなく、なるべく席を外さないように話に入り込んでいましたら、お菓子をお出しするのもすっかり忘れてしまいました。途中、アリアナさんがチャイグラスで紅茶を淹れてくださいました。

写真もほとんど撮りそびれてしまい、この写真の大方は、参加してくださった高橋マキさんが撮影したものをお借りしています。マキさんは、私が1年前にこの紙敷物を手に入れ、Facebookで呼びかけたとき、すばやく反応してくださり、赤穂の阪上梨恵さんに繋いでくださったのでした。
いろいろな方が次々繋がってゆき、今回の「緞通談義」につながっています。

最後は時間に押されるように終了となり、まだ話に心残しながら解散となりました。

日本の緞通については、かなり理解が進みましたが、紙の敷物をいつ誰がどこで作ったのか、という点については、まだ明確な答えが出ませんでした。 to be continued…
赤穂緞通も鍋島緞通も、その大きな消費地には京都の洛中の家家があったそうですから、また、いろいろなつながりの中で、さらにこの謎解きが進むことを期待しています。紙自体の調査やお茶との関係も調べてみたいところです。

きてくださった皆様、繋がってくださった皆様、ありがとうございました。

最後の写真は、この日の昼食にアリアナ店主のマルフィーさんさんが作ってくださったイランのランチ。マルフィーさんに「イランのおふくろの味は何?」と聞いたところ、答えてくれたのが、この「アダスポロ」、レンズ豆の炊き込みご飯だそうです。

イランと日本、遠く離れたように見えて、長い歴史も文化も、実はどこかでつながり続けているのかな、と思います。

いつかまたこのお話の続きが書けますように。
何か情報お持ちの方あれば、いつでもお声掛けくださいね。