「しぜんをかたちに」明日から

ぶじ搬入を終えました。

染色、アクセサリー、絵画と、3人の作家がそれぞれ異なるジャンルの作品をつくっているのだけれど、不思議と違和感なく、一つの空間に溶け合って仕上がったように思えます。

3人が旧知の仲ということもあるけれど(でもよく会っているというわけではない)、やはり「しぜんをかたちに」という共通項があり、もともとそのテーマに近い感覚の持ち主、というのもあるのではないかと思います。

少しずつシンクロする3人の「しぜんをかたちに」、どうぞお楽しみください。9月25日(土)〜10月3日(日)までです。

「しぜんをかたちに」展 作家紹介その2

9月25日〜10月3日までの「しぜんをかたちに」展。
3人の作家紹介、最後の〆めは村田啓子さんです。

村田啓子さんは能登にある禅寺龍昌寺の大黒さんです。龍昌寺はもう40年余りも前に、啓子さんのご夫君である僧侶の村田和樹さんが、禅のあるべき姿を求めて、金沢の寺を離れて移り住み、山林の開墾から始めて、寺を作り、水を引き、田畑を耕し、人が集ってきたお寺です。

この場所のことを語るとき、「無いという豊かさ」という言葉を思います。いろいろな時にそのことを思うのですが、象徴的な話を二つ。

村田啓子さんとご一緒にお料理を作っていたときのこと。
味噌汁の出汁を取るのに、煮干しが2匹しか入っていませんでした。私だったら、少なくとも5〜6匹はバラバラッと放り込みます。「えっ、たったの2匹しか入れないの?!」と思いましたが、啓子さんはこれで十分だと言います。
半信半疑でしたが、出来上がった味噌汁は、しっかり出汁が出ていて、とてもおいしいものでした。「なんで〜?!」
その煮干しは、能登の海でとれたイワシを、啓子さんが自分で干したものでした。新鮮で濃厚で、少量でも旨みが十分に出て、それに自家製の野菜と味噌が入れば、味噌汁は十分すぎる美味しさでした。あの味噌汁はちょっと衝撃的で忘れられません。

 

もう一つは卵の話。
龍昌寺のあるよろみ村では、共同で鶏を飼っています。配合飼料を使わず、米糠やクズ野菜などを混ぜた餌をやっているそうなので、時に、次々と卵を産まない時もあるそうなのです。
それで、啓子さんは、数少ない卵を料理に使うため、一個の卵を、朝ごはんに半分食べて、残りの半分を子供のお弁当に入れていた、と話してくれました。
スーパーで買う卵は10個で200円もしない安さです。それを1個の卵を朝と昼で半分ずつに分けて使う家がある、、、私、なんかすごいカルチャーショックでした。

 

龍昌寺の暮らしは、物が潤沢にあるわけではありません。冬は深い雪に覆われます。それでも、自分たちで作れるものは自分たちの手で作り、藍を育て、渋柿から柿渋を作り、自然の恵みに感謝して、ないものの中から工夫して作り上げて暮らしを営んでいます。
「無いという豊かさ」に満ちている気がするのです。

村田啓子さんの藍や柿渋の作品は、もちろん作品としての魅力もあるけれど、そんな暮らしの窓口として、いつも心惹きつけられる存在です。

「しぜんをかたちに」展、作家紹介します。

さて、9月25日からの「しぜんをかたちに」展が近づいてきました。
3人の作家さんをご紹介していきます。

まずは、石畑美津子さんをご紹介しますね。

石畑美津子プロフィール
1952年滋賀県大津市生まれ。
1992年石川県輪島市に移住。
その以前より、京都、大阪、愛知、金沢、岐阜、で個展多数。
明治、大正、昭和初期までの古布とビーズを使い、森羅万象「自然」を形にしたアクセサリーを作る。
2019年長年住んだ輪島から大津に移住してからも、制作を続ける。

長年暮らした北陸輪島から、生まれ育った滋賀大津に戻られてから初の展覧会です。海の生物から森の生物まで、様々な自然を古布とビーズで表現する石畑美津子さんの作品、楽しみです。

 

続いて、音座マリカさんをご紹介しましょう。

音座マリカ(おんざ まりか)プロフィール
1951年大阪生まれ。
絵は独学で線からスタートしましたが、ガッシュやアクリル、パステルなどで色も楽しむようになりました。
その傍ら、ネイティブ・インディアン、ジャズ・ミュージシャン、バク、フクロウなど陶像作りも。
1983年金沢で初個展、以降各地で展覧会。
むかしから野の花・鳥・星など自然が大好きなので自ずからそれらがテーマになります。
ギャラリーテラでは2006年に個展。
詩を書く泉井小太郎(夫)と六角文庫として詩画集や絵本・詩集などを紙の本と電子の本で創っています。
金沢に30年、現在は播磨在住

今回の展覧会では、額入り作品や卓上における小品などのほか、陶フクロウ、六角文庫で自主制作した紙本(マリカさんが絵を担当)などの販売もあるそうですよ。
以下はマリカさんがテラに寄せてくれたメールから。

コロナが始まって人に会うことが激減。ステイホームを慰めてくれる筆頭が花たちです。ヒトの暮らしは世界中で未経験の悲惨な事態なんだけど、これまで以上にこの星の生態の素晴らしさを感じます。季節になるとちゃんと咲く花たちに感謝。ともすれば俯き加減の暮らしを野の花たちに背中を押されてるみたい。花に魅せられるのはヒトだけでなく昆虫や鳥類もですね。今回はそうして出会ったホウジャクや蝶も登場する予定です。

塚本猪一郎作品展+大歯雄司 似顔絵描きます!

10月9日(土)〜10月17日(日)  清滝ギャラリーテラにて
塚本猪一郎作品展 + 大歯雄司 似顔絵描きます!

塚本猪一郎さんは、1956年生まれ、佐賀大学特設美術科を卒業後スペイン留学。その後、版画、絵画、立体造形など美術家として活躍を続けるベテランです。国内各地での展覧会はもとより、パリの版画工房での制作など、海外での展覧会、受賞歴も豊富です。詩人、谷川俊太郎さんとのコラボレーションもあり、谷川さんの詩の世界を絵で表現した作品は、展覧会の他、昨年講談社より出版されました。独特の抽象表現の中に、作者のハートが潜んで見えるようです。

会場では、版画を中心とした絵画、立体などの作品を展示するほか、2022年の版画カレンダーも販売します。シルクスクリーンで作者自ら手刷りしたナンバー入りの限定カレンダーで、サイズは394×598mm、4枚組 5,500円(税込価格)。
毎年恒例で新作を作っておられますが、実は、私も30年前からの塚本カレンダーを保存していて、日付部分を切り取って、額に入れて飾っています。5000円で4枚の版画作品が入手できるわけですから、はっきり言ってたいへんお得です。毎年完売の人気カレンダーです。

 

 

 

 

 

 

 

今回、会場内では、同じく佐賀在住のグラフィックデザイナーにしてイラストレーター、古湯映画祭の代表でもある大歯雄司さんによる「似顔絵描きます!」のコーナーも行います。
10分〜15分であなたの似顔絵を彩色イラストに仕上げてその場でお渡しします。価格はワンコイン500円です。

実は。塚本さんと大歯さんはテラの小林正の45年来の友人です。青春を共に過ごし、その後、互いに進む道はそれぞれことなれど、時間も距離も超えて、どこか通じ合っているようです。
会期中のどこかで、3人交えてのトークタイム、小林の制作した映像も交えたり、知る人ぞ知る「あの」映画人の話なども、できたらいいな、と思っています。

 

 

 

村田啓子 石畑美津子 音座マリカ「しぜんをかたちに」展のご案内

9月になり、少し涼しい風が吹き始めました。

9月25日(土)〜10月3日(日)「しぜんをかたちに」
村田啓子(藍染、柿渋染)
石畑美津子(古布とビーズのアクセサリー)
音座マリカ(野花の絵)

能登山中のよろみ村で禅の世界を追求し、田畑を耕し、自給自足に近い暮らしを営む禅寺龍昌寺。その大黒さんとして食べ物を切盛りし、藍染や柿渋染をするのが村田啓子さんです。今回はそのつながりから、ビーズや古布で自然の生き物をジュエリーにする石畑美津子さん、野の花を独特のタッチで描く音座マリカさんと共に、3人の女性による展覧会が実現します。
共通項は「しぜんをかたちに」。
よろみの無農薬新米の予約や手作り麹の販売も予定しています。体も心も免疫力アップをめざします!

内山展、明日まで

ここのところ「遅れてきた夏」みたいな日が続いています。
清滝は川遊びの子供達で賑わっています。歓声や笑い声が響いています。

さて、「内山貞和展」明日までです。

今回は、たくさんの「骨」作品に囲まれました。
それでも、恐怖とか恐れとかは妙になくて、骨の隣にある「肉」を思ったり、その硬さや太さに力強さを感じたり、作品に囲まれながら、いろいろなことを感じる時間でもあったように思っています。

今回の会場には、たくさんの装身具も出品されていました。
素材は木だったり石だったり金属だったり植物の実だったり骨だったり。

ライトなものからヘビーなものまでいろいろあったけれど、古代から男女ともに装身具を身につける習慣はあって、つけたくなる理由もまたあったわけでしょう。アフリカ人も日本人も縄文人も現代人もまた。
装身具から力や元気をもらうっていうこと、あったんだろうなあ。

私自身は日頃、アクセサリーを身につける方ではなかったのだけれど、なんだかそんな原始からの心を再び感じるような、そんな展覧会でもあった気がしています。

明日はいよいよ最終日。

「内山貞和展」始まります!

明日8月23日より、いよいよ「内山貞和作品展」始まります。

今回壁面作品の中心となっているのは「Memennto Mori」、死と生がテーマとなった造形作品です。

会場には朽ちた木や自然木も配置され、そこに古代から現代に至る様々な素材の作品が所狭しと並んでいます。

内山さんは8月23日〜29日までの会期中、ギャラリー在廊予定です。

内山貞和作品展のご案内

8月23日(月)〜8月29日(日)
内山貞和作品展
〜身につける彫刻、身につけるレリーフ、なつかしい未来に向かって〜

夏の終わりの清滝で、倉敷在住の造形作家、内山貞和さんの展覧会を開催します。

内山さんは倉敷で、サロン・ド・ヴァンホーという江戸時代の古民家をリノベーションした趣あるギャラリーを営んでいます。そこには個性的な美術家、芸術家、工芸家などが多く集い、芸術を語り合う場となっていますが、一方で長年にわたり、ご自身の作家活動も続けておいでです。

時を経た石や木や出土品や骨などさまざまなものをコラージュして、立体造形やブローチや首飾りなどの造形作品を作りだします。「いにしえを現代に甦らせ未来につなぐ作品」とご紹介しましょうか。

きっと、男女を問わず、その独特の美学や世界観には引き込まれることでしょう。

内山氏はもともと岡山のご出身ですが、京都教育大のご卒業。京都は学生時代を過ごされた懐かしい地でもあり、さまざまな創作の形成もされたのではないでしょうか。

そんなわけで、夏の名残を残した京都・清滝で、少しゆっくりご一緒に、内山さんとも内山さんの作品とも向かい合いたいものと存じます。(内山さんは会期中清滝滞在のご予定です)。山から川へと吹く風、ひぐらしの鳴く声とともに、お越しをお待ちしています。

 

 

終わりから始まりへ

夏真っ盛り、暑さと蝉時雨と多くの人の熱い思いに包まれながら、愛宕山千日詣り期の展覧会「てのなるほうへ」が終了しました。

石田佳織さんのまっしぐらな溢れるエネルギー、

 

清水範康さんの命の淵からUターンしての挑戦、

支える美恵さんの芯のぶれない暖かさ、

ワッテチャイさんの破壊を恐れない創造、

そして彼らのもとを訪れてくれた多くの人々。
そんな思いや力をいっぱい感じながら、暑い夏が過ぎてゆきました。

展覧会は終わった、のですが、何か終わりというよりは、これからの始まりを予感させるような展覧会だった気がします。
ありがとうございました。
関わってくださったすべてのみなさんへエールを!
そして、私もまたここから。


(最終日搬出終了後に、酵素ジュースで乾杯)

「てのなるほうへ」展始まります!

7月24日(土)〜8月1日(日)
石田佳織「うるしの土器、野焼きの陶器」
清水範康「彫金アクセサリー」

さあ、搬入も概ね出来上がりました。

1階はすっきり仕上げました。
石田佳織さんのコーナーにはKaokao植物園が出現?  佳織さんのお住まいに行ったとき、お家の中が植物ジャングルみたいでなんとも素敵だったので、ちょっぴりその雰囲気を会場内に持って来てもらいました。個性的な植木鉢やあかり玉が並び、植物と鉢物も合わせてお求めいただけるようになっています。キャンドルをともしても、苔玉を入れても似合うあかり玉もありますよ。

清水範康さんは、繊細でスマートな指輪類と、縄文時代の土偶や出土品を小さく精密に再現したコアなアクセサリーなどを並べてくれました。大理石や陶器、金属などを使った独特の小物遣いもおしゃれです。

2階には、石田さんのうるしの土器や窯変の陶器などの新作が並びました。
焼き上げた土器にうるしを塗って、色を重ね、削り出した、根来的技法による皿や蜂は本邦初公開。

色の漆を拭き込んだり削り出したりした椀類もずらり並んでいます。

7月31日と8月1日には、Watte chaiさんによる本バインド式のチャイの店頭販売もしています。

器は石田佳織さんの素焼きの土器です。
作りたてのチャイを飲み干したら、「割ってちゃい!」土に戻して、再びやきものに再生します。だから「創造と破壊のチャイ屋」です。