月別アーカイブ: 2016年11月

鈴木勇子展~ぜんぶ地球の贈りもの~

12月6日(火)~12日(月) 12月の展覧会のご案内です。
鈴木勇子陶芸展 ~ぜんぶ地球の贈りもの~

京都京北在住の陶芸家・鈴木勇子さんの陶芸展を開催します。スウェーデンで陶芸を学び、日本に帰って活躍してきた勇子さんの、和にも洋にも溶け込む暮らしの器が並びます。

「陶芸は地球が材料です。地球がわたしを通じて変容し器になります。考えてみれば、陶芸だけでなく、わたしの暮らしも全部地球が提供してくれているモノ(者と物)を媒介にしたコミュニケーションで成り立っています。」
という彼女の言葉にはうなずかされます。なにせテラはラテン語で「地球、大地」を意味する言葉ですから、彼女の手を通じてやってくる「地球の贈りもの」がとても楽しみです。

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今回は京北に住むお仲間の賛助出演もあります。
12月7日(水)12:00~15:00
京北の自給農家・お山カフェ村井ユウコさんによる自然の恵みいっぱいの昼食と勇子さんのお話。参加費2000円
12月10日(土)13:00~15:00
きしもとタローさんの笛とブズーキ、熊澤洋子さんのバイオリンによる古今東西の伝承音楽演奏を、タローさんのトークと共にお楽しみください。そばにこだわるSOBACafeさらざんのそば粉を使ったスイーツと飲み物も会場にてお楽しみいただけます。参加費2500円

会期中作者の鈴木勇子さんとテラ小林は全日在廊予定です。
初冬の静けさを取り戻した清滝テラにて、薪ストーブを焚いてゆっくりじっくり皆様をお迎えしたいと思います。

小林斐子展始まりました

小林斐子展始まりました。
紅葉の見頃と相まって、賑やかです。

屋外も鮮やかですが、室内も負けず劣らず鮮やかです。

 

昔から知られた野生植物も染織材料となっていますが、身近な葛や桜、家庭の庭にも見られるハーブ類や花、畑の植物なども材料となっています。

 

そして、今回は、真綿引きのワークショップも開催中です。
小林さんが修行時代を過ごした郡上紬のやり方だそうですが、釘を打って広げた真綿から繊維をすくい取って、糸を紡いでいきます。


面白いのは、最後に糸をまとめるとき。予想外なものを使うこと。
ちょっと「ええっ?!」いう感じ。なぜ、これを使い、どう、これを使うのか?

 


う~ん、昔の人の知恵は面白いです。
ワークショップは会期中毎日実施していますので、興味ある方は是非やってみてください。

清滝の紅葉

今日の清滝です。

 

先週まではまだまだと思っていたのに、ここ数日で見る間に紅葉が色づいてきました。

たぶんこの1週間ぐらいが清滝周辺の見頃になりそうです。

手前の鳥居本、愛宕寺あたりも黄色から真紅までの様々な色合いの紅葉が見られて美しかったです。

明日は搬入日で、明後日11月15日から11月20日まで、小林斐子染織展開催です。

嵐山周辺は人も車も多くなりますので、清滝に来るコツとしては、嵐山の渡月橋周辺を避けること。

車も人も、丸太町通り以北はさほど混みません(もちろん清滝も混んでいても知れています)。

阪急電車、京福電車の嵐山駅~渡月橋周辺までが一番混む場所ですので、混雑に巻き込まれたら、丸太町通りあたりまで歩いてしまう方が早いと思います。

市内から来られる方は、市バス93番や91番で清滝道(バス停嵯峨瀬戸川町、嵯峨釈迦堂、大覚寺)あたりまで来て、京都バス清滝行きに乗り換えるという手もあります。

JR嵯峨嵐山駅から来られる方は、北口に出てタクシーを捕まえる、または少しだけ歩いて丸太町通りからタクシーに乗るか、少し歩いて清滝道で京都バスに乗る手もあり。

ではでは、艶やかな紅葉をお楽しみください。

ことばの勉強会

今年も苅谷夏子さんをお招きして、「大村はま先生に学ぶことばの勉強会」を行いました。
今年は大村はま先生が実際に行なわれたのと同じ授業をみなでやってみましょうと、苅谷ー先生役、私たちー生徒役で授業が始まりました。

苅谷さんに選んでいただいたのは「驚く」ことばの授業でした。

「びっくりする」「はっとする」「どきっとする」「息をのむ」「腰を抜かす」「肝を潰す」など、驚く言葉はいろいろあります。
いろいろなことばの違いを考えるのかなあ?でも、わかるようでいて違いをことばで説明するのは難しいなあ?当たったらなんと答えようかなあ?などと考えていましたが、大村授業の(今回の先生は苅谷さんですが)流れはちょっと違いました。
たくさん書き出された驚くことばの中から、好きな(気になる)言葉を選び、そのうちの一つを使う場面の文を作ってみましょうというのです。

ことばを分類的に考えるのは難しくても、驚くシーンを考えるのは、そう難しいことではありません。誰もがみな持つ驚いた経験やその時の状況を思い起こして、あらかじめ書き出された驚くことばのどれかを使ってみるのは、誰にとってもスムーズな作業だったと思います。

そして、それぞれが書いた文章の前後の場面描写から、この人はどんな「驚く」ことばを使ったのか、「ドッキリ」だったのか、「ぎくっと」だったのか、「ギョッとした」だったのか?「このことばはこのシーンにはちょっと違うな」「ぎくっとには何か後ろめたさが感じられるかも」など、具体的な場面を一緒に辿っていくのです。すると、難しく考えずとも、ことばはいつの間にか絞り込まれ、かなり具体的に見えてくるものがあるのでした。

ああ、そうか、ことばは辞書のようにならんでいるものではなく、生きていて、その状況や場面や思いの中で使おうとした時、自然と一番ぴったりしたことばが出てくるものなんだなあ、大村先生は、それを導き出す授業をしていたんだなあ。そして、そうした小さな訓練の積み重ねの中で、語彙は増え、ことばに関する感性は磨きだされていくものなのだなあ。

誰もがスルッと楽しく入り込めて、それでいて確実に得られるものがあるような、不思議なマジックショーのように感じられる授業でした。

ことばをめぐっては、いろいろな角度から、いろいろ考えたいこと、話したいことがたくさんあり(実際個性的な面々からいろいろな話や言語や歌も出て)、いつも尽きせぬ気がするのだけれど、この日の授業では、人に想いを伝えるために一番的確なことばを選ぶ、その基本練習を見事にさせてもらった、そんな気がしました。

みなさんとともに「ことば」とまじめに向き合った、楽しい貴重な1日でありました。