石田佳織さんのこと

祇園祭の山鉾巡行も終わり、京都もいよいよ本格的な夏到来のはず、、とはいえ、今年はまだ雨が続いていてなんだか変な天気ですが、それでも自宅のこぶしの木からは、蝉の鳴き声が聞こえてきましたよ。

さて、次回の展覧会は7月末の愛宕山千日詣り前後に行われる「土の器であること。」野焼きの土器にこだわる石田佳織さんの展覧会に向けての作品制作が続いています。

少し前になりますが、大阪にある石田さんの仕事場を訪ねました。
以前は信じられないほど山奥に暮らしていた(集落の住人は、クマと格闘したこともあるという90代のお年寄りと彼女の二人きりしかいなかったし、その地はかつて南方熊楠が粘菌調査に逗留していたこともあった)石田さんですが、現在は生まれ育った大阪の街が生活の場です。
下町の風情も残した大阪の町なかで、こんな原始的な大地のエネルギーほとばしる土器の制作が行われているなんて、誰が想像できるでしょうか。

チラシに使った石田さんの写真は、実際のご本人より老けて見えるようで気になっていたので、今一度仕事場で撮った写真をアップしておきます。

手びねりで作られる壺には、沖縄のサンゴを砕いたものを入れています。それを入れ込むことで成分的に壊れやすくなる危険性もあるらしいのですが、あえてそこに挑んでいるそうです。脆さも含めて「土の器であること。」にこだわる石田佳織さんの土への思いを強く感じました。
「物が壊れていくこと」を恐れず受け入れながら、新たな創造に向かっていく。そこに、石田さんのものづくりがあるような気がします。

仕事場は大変整頓されていて、いつも目につくいちばん高いところに、今展に一緒に出展参加していただく森岡尚子さんが撮影した沖縄やんばるの森の写真が飾ってありました。この写真をみて、沖縄の大地のエネルギーを感じながら、作品を作っているそうです。

引き続き、今回の展覧会メンバーのことなども、少しずつアップしていきたいと思っています。