展覧会に参加していただく方の紹介 その7

展示ご紹介の〆は清水範康さん(旅するジュエリー)
清水さんとは、もともと2020年の夏に、テラで展覧会をご一緒する計画でした。その時出ていたお話が、松岡宏大さんが旅から持ち帰ってきたもので、清水さんがジュエリー作品を作る、という企画でした。
私はその企画をすごく楽しみにしていたのですが、清水さんはその年の5月に思いがけない病に倒れて、生死の境を彷徨い、意識が戻ってからも、長い闘病、リハビリ生活を送られました。でも、人はこうやって恢復していくことができるんだなあ!っていうお手本のような日々を乗り超えて、今、清水さんは日々の生活にも作品制作にも復帰されています。

今回の清水さんの展示作品は、「昔と今をつなぐ作品、時間を旅するジュエリー」 といった感じでしょうか。


清水さん、以前からすごく精密繊細な土偶作品を金属で作っていました。それは元は縄文人が作ったものでありながら、ものすごく現代的でもあり、どうかすると宇宙人みたいなものもあり、清水さんはそれを正確に模しながらも、オリジナルな作品に仕上げていました。
縄文人と清水さんは、どちらもそれらを自分の手で形作っていて、時代も状況も全く異なるのに、人の手って想像力ってすごいんだなあ!と思ませてくれるものでした。

今回はさらに、木津川で清水さん自身が発掘してきた土器の破片も作品に使われていて、それに、秋田の環状列石がある遺跡近くで、現代の人がつくったという「アカソ」の繊維をよったひも糸を組み合わせて、アクセサリーを作られているようです。


なんだか、時間も空間も超えた旅をしてきた作品が、一つの形となって清滝テラにやって来るんだなあって、今はそんなふうに思いながら、その作品到着を楽しみにしているところです。
8月1日(火)午後1時より清水さんのギャラリートークを予定しています。これが展覧会の最終日、お越しをお待ちしています!