清滝テラ」カテゴリーアーカイブ

展覧会参加者紹介します その3

その3 7月26日、7月29日
展示 石田佳織(旅する土器)
石田佳織さんの器は、全て野焼きによって焼き上げられる土器です。

アジアや中南米の壺を思わせる時もあるし、沖縄のパナリ焼きを思わせる時もあり。縄文の土器にもどこかつながっているようで、時間や空間を飛び越えて旅をしているように思われる器です。
けれど、彼女自身は、いつも自分の暮らしの中で使えるものを目指していて、そういう意味で、彼女の土器は「現代の器である」と言えると思います。


今回力を注ぐのは、弁当用の土器です。直火でも使えて、ご飯を炊いたり炊飯に使うことも可能。半合、1合でも炊けるので、ソロキャンプでも使えます。唯一心配なのは「割れ」ですが、 これを避けるために、石田さん、8人の友人作家に「土器をカバーするもの」を頼みました。
・石田徹(木) ・ウッキー富士原(廃材) ・誉田アキヒロ(竹) ・fuu fujiwara(植物etc)・土山巨余子(布) ・橋本美奈(布etc)  ・浜田靖史(革) ・山谷奈津子(草)
どれも土器の弁当箱を包む「カバー」であることは間違いないと思いますが、個性的な面々による素材も作り方も異なるcovers。どんなものが出来上がってくるのかは、私も知らないのです。会場にてのお楽しみ?!


さて、7月26日と29日には、石田さんがこの土器を使って炊飯する実演トークを行います。どのくらいの時間でどんな具合にご飯が炊けるのか、確かめてみることができます。そして、この日は、下記に記す通り、土器弁にお弁当を詰めた「カモシカ発酵弁当」が会場にて食べられますのでお楽しみに!


発酵食堂カモシカ( 日本の発酵食を土器弁で)7月26日、29日
嵯峨嵐山に本店を持つ人気の発酵食の専門店。「発酵」にフォーカスし、コアでありながらグローバルに活躍中の新進企業です。


今回は発酵食品5種を入れたテイクアウト用の「のり弁」を、石田佳織さんの土器に入れて、会場にて召し上がっていただきます。お揚げの中には麹納豆がたっぷり詰まっていて、魚醤で旨味を出した卵焼きや、へしこのふりかけと海苔が層になったご飯など、お楽しみがいっぱい。
このカモシカ弁当を石田さんの土器で食べてみたい!という私の願いが、今回実現します!


カモシカ弁当が詰まった土器弁丸ごと購入 7000円
お試しバージョンで土器に入ったカモシカ弁当をいただく 1000円
どちらも各日限定数での販売ですので、ご予約優先にて。
7月26日、29日、12時から売り切れ終了まで。

 

展覧会の参加者紹介します その2

その2
畑ゑり子さん(旅する砂)
国内、国外を問わず、世界の砂を集めて、その砂で絵を描いています。


チラシの絵は、鳥取むきばんだ遺跡、琵琶湖、瀬戸内海もがり島、ゴビ砂漠、他の砂を使ったものと、カナダと沖縄の砂で描いた絵。


今回は、国内外70ヶ所の砂見本も展示予定です。
テラとのお付き合いも20年以上?になり、竹紙も使っていただいています(あ、ちなみに砂の絵だけを描いていらっしゃるわけではなく、水彩画や銅版画、本の装画などのお仕事もされるベテラン画家ですが、砂の絵画もライフワークの一つです)。


ギャラリートークは7月25日午後1時〜


小松亭タマサート(ラオスの食)7月25日(火)12:00〜
小松さんは、元々は京都大学大学院で淡水魚を研究していた研究者。研究でラオスを訪れるうちに、ラオスの自然(タマサート)とラオスの食に引き込まれ、いまや本気モードのラオス料理人の道へ。


テラでも以前、ラオスの報告会の際にお料理をお願いしたことがありますが、琵琶湖の湖魚の専門家でもあり、またジビエや野草にも強いので、日本にいるのに、まったく現地に近い感覚のラオス料理がいただけるのもすごいところです!かつ美味しい!

今回は当日、どんなラオス料理をいただけるでしょうか?、メニューが見え的次第、またアップしますね。小松さん教えてくださ〜い。

ランチは7月25日(火)12:00〜
ランチ料金 1500円 12時〜 予約優先につき、ご希望あればご予約くださいね。
今回のテラ企画展の食イベントは、単なるフード出店ではなく、地域と食文化について、料理人がミニ解説してくれるところが、他にはない魅力と思います。

 

 

展覧会の参加者紹介します その1

その1
阿部ひろ江さん
ギター片手に国内外を回り、旅をして、その土地や人の空気に触れながら歌うシンガーソングライターです。


今回は23日〜8/1までの展示にも参加。歌の旅で出会ったもの、エチオピアフェアトレード、クレタ島、ベトナムフェアトレード品など販売 。チェルノブイリ事故8年後のベラルーシ、ロシアの写真なども展示予定。北朝鮮の写真アルバムもあります。
7月23日13時から会場にてギャラリートーク&ミニライブ予定。


ちょうど、この日12時からは、「世界の料理」の第1弾、武田春子さんによる「アラブの家庭料理」のランチもあり、阿部さんもシリアや中東にも旅に出かけていますので、ランチを食べて、ギャラリートークを聞くというのも良いのでは?と思います。

7月23日12時〜 アラブの家庭料理
武田春子さん


「中東の料理とお菓子サハティン」を主宰。大学教員を経て2013年から2年半、アラブ首長国連邦の首都アブダビに日本語教師として派遣されたのを機に、中東料理の魅力にはまる。アラブの人たちの気質に似て穏やかで優しく、ヘルシーな中東料理を日本の人たちに知ってほしいと、2016年以降、京都市の自宅で中東料理教室を開催する。近年は中京区のmarron’s kitchenで毎月1回中東料理の食事会を開催したり、中東菓子を作って販売したりも。日本人にはなじみの薄い中東の文化・慣習を、食を通じて伝えようと活動中。


今回は、アラブ湾岸地域の家庭料理「マチブース」を作っていただきます。

アラブの家庭では、お客さまを迎える時、先ずデーツとアラビックコーヒーでお迎えして、それから料理を。食後は、甘いお菓子と紅茶を。デーツとアラビックコーヒー+マチブースのランチ 1500円
バクラヴァロール(サクサク甘い焼菓子)と紅茶のティーセットもあり(別料金)

*予約優先、売り切れ終了となりますので、できればご予約ください

 

旅する気持ち 人・物・食「清滝テラで世界を旅する」

今年も愛宕山千日詣りの時期が近づいてきました。今年はコロナ流行以来中止となっていた本来の形、7月31日の夜間参拝が4年ぶりに復活します(7月23日〜8月1日の昼間参拝もあります)。
久々の千日詣り開催もうれしく、またここ数年封じられていた「旅」への想いも高まり、「旅」をテーマとした企画展を開催することにしました。
さまざまな国や地域に縁のある「旅の達人」、「ものづくりの作家」、「世界の食を知る人」など、個性派の面々が集まってくれました。ジャンルも内容もさまざま。それぞれのコアな「旅の形」を展示や食事で披露してくれます。

盛りだくさんな内容で一度では書ききれませんが、まずは拡大して、くわしく見てくださいね!

これからそれぞれの出展者の方々や出店内容についても、順次書き綴っていこうと思います。
あ、展示は会期中自由にご覧いただけますが、世界の食は、予約優先となりますので、ご希望ありましたら、どうぞお早めにご予約いただければ確実です。
(料理してくれる方々は、それぞれの地域の食に詳しく、料理を作るだけでなく、地域と食文化のミニ解説もしてくれます。私もどの日も食べる気満々デス)

かつみゆきお展終了

「かつみゆきお木の仕事展」終了しました。
濃密なる10日間が過ぎました。

毎年来てくださるお馴染みの方もあれば、お久しぶりの懐かしい方もありました。
お会いできて光栄ですの異国の方との出会いもありました。


オーストリアから来られたクリスさん、空手や武術の指導者でもあり、山伏の修験者でもあるそうで、テラではお馴染みのピアニスト、村田聡さんひろこさんとともに、テラにも立ち寄ってくださいました。かつみさんや居合わせたお客さまとも話が弾み、会場にて、空手の演舞と即興ピアノのセッションに! かつみさんの木の仕事(仏壇や「愚徹」の額)とも不思議とマッチして、楽しい盛り上がりのひと時となりました。
写真にはありませんが、孔子の74代子孫という方も会場にお見えになりましたよ。

会期中には25日もありましたので、かつみさん、前日から西陣の我が家にお泊まりになられて、早朝6時前から北野天満宮の天神市に古物を見に出掛けられました。

なかなか良い出会いがあったらしく、荷物満載でニコニコ帰っていらっしゃいましたよ。
木の杖、もんどり(魚籠)、銅のバケツ、木皿、そしてカメラ!

そして、最終日も終わり、今日はあさから搬出作業、昼からは、大物の納品物を、京丹波町と芦屋に運び、かつみさん、夜8時に帰路に向かって大津インターよりご連絡ありました。

はあ、恐るべし83・5歳であります。
今年も人生の先達として学ぶところ多く、明るく楽しく前向きに、ぐずぐずクヨクヨすることなく、仕事も遊びも境目なく一生懸命、そんなふうに私も生きたいものと思いつつ、トラックを見送ったところです。

お疲れ様でした。お越しくださった皆さん、ありがとうございました。
又来年もかつみさんとかつみさんの木の仕事にお会いできますようにと願うばかりです。

(これは会期中の夜のひととき。こうこうとギャラリーの明かりを照らすのはどうか、と思い、読書用にキャンプ用のランプを吊るしてみました)

かつみゆきお展始まる

かつみさんとかつみトラックが到着し、荷を下ろして、展覧会が始まりました。

テーブル、さまざまな椅子、長椅子、ソファー、そして、

なんと今回は仏壇が大小四つも来ました!
チラシにも掲載しましたが、実際に来たのは同じ材ながら、ちょっとバージョン違い。
会津の霧の箱の前面にちょっと曲がった桑の木が扉として使われています。
これを仏壇の扉にしようなんて、普通の人は思わないだろうなあ!と感心するような斬新なデザインです。でも、違和感なく、こんなのもあってもいいよなあ、と思わせるところがかつみゆきおデザインです。来られたお客様の中には、大事なウヰスキーを入れてみたい、なんていう声も聞かれました。

2階には塗りの小物がたくさん。

漆塗りもかつみさんがされています。
カレーの器やバターケース、塗りの箸やカトラリーもたくさん来ました。

そして、本も出来上がってきました!

まだ小部数の試作初版ですが、80代になってからのかつみさんの仕事と遊びの日常が、よくわかって興味深いです。激しく移動するその仕事ぶりと運転量にも舌を巻きます。自然や人を見る目にも心惹かれます。

かつみさんは会期中会場に詰めておいでです。
どうぞかつみさんとかつみさんの木の仕事に会いにいらしてくださいね。

もうすぐかつみさんがやってくる!

もうすぐかつみゆきお展。
もちろん、かつみさんとその作品を楽しみしていることは間違いないが、その前に、かつみさんから依頼されていた、もう一つの仕事の仕上がりも待っている。
かつみさんの新しい本が印刷所から上がってくるのを待っているのだ。

「遊びが仕事で 仕事が遊び Ⅱ」
木工職人かつみゆきおのメモ 2021年〜2023年

私はギャラリーを始めるまで、企画編集の仕事をしていたので、文章を書くことや企画編集をすること自体は、そう不得手ではない(はず?)。だが今回は、これまで専門の方にお願いしていた、装丁、デザイン、レイアウトまで、一切を一人でする羽目となってしまった。いささか仕上がりが不安である(最初は文字だけの簡単な冊子を作るというお話だったので、それならいいかと一人で引き受けたのだが、いつの間にかオールカラ−170ページのボリュームある本となってしまった!)。

しかも、昔と違い、今は途中に校正を何度も設けられるわけではなく、デジタルで完全原稿にして、一発入稿、印刷、製本の時代だ。さあて、大丈夫かなあ?

かつみさんがぜひ今回の展覧会に間に合わそうとおっしゃるので、もっと推敲を重ねたかった思いは残るが、季節も時間もいつまでも待ってくれるわけではない。
まずは仕上げて、会期中にかつみさんと共に、もう一度目を通すことにしようと思う。
初版は数を少なくし、さらに推敲、直しを入れて、再版できる体制にしようと思う。

6月17日(土)〜25日(日)の展覧会には、出来立てホヤホヤの初版本をご覧いただけるはずです。さて、ドキドキです。どなたに読んでいただけるかな。
(あ、かつみさんの文章自体は、とてもおもしろく魅力的ですよ。こちらは自信あり)

 

6月の展覧会 かつみゆきお木の仕事

6月17日〜25日、かつみゆきおさんが清滝テラにやってきます!

現在83歳ながら、今なお新作を作り続け、自らトラックを運転して、北へ南へと駆け巡る驚異の木工職人です(ご自身のことを「作家」と言ってくれるな、俺は「職人」だ、とおっしゃいます)。

無垢の自然木、曲がっていたり、穴や亀裂が入っている木も厭わず、木と向き合い、その木の特徴を生かしてつくるテーブルや椅子、食器棚や家具、仏壇など、かつみさんご自身の生き方を映し出すような「木の仕事」の数々を展示販売いたします。

若き日にカラコルムの岩壁登山に挑み続け、「ピンチはチャンス」と笑って言える明るさと肝の太さ、それでいて、さまざまな経験を乗り越えてきたからこその、人の気持ちへの優しさが、皆を惹きつけ、励ますのだと思います。

会期中、かつみゆきおさんはずっと在廊、清滝に滞在します。
作品はもちろんのこと、かつみさんとのお話を楽しみに来る人も、いつも絶えることがありません。

会場には、家具類を作る端材から生まれる、さまざまな広葉樹の額類や、自ら漆を塗った皿、椀類などの木の小物もありますよ。
お越しをお待ちしています!

かつみさんは、実はなかなかの読書家で、パソコンにいつも日記(本人がおっしゃるには「メモ」)をつけておられます。その文章がとても魅力的なのです。
すでにご自身の文章と写真をまとめた本も出されていますが、今回も近年のメモをまとめた冊子を製作中です。展覧会に間に合ったらいいなと思っていますが、仕上がりまで間に合うかどうか、なかなか切羽詰まった情勢にあります、、、が、もし間に合えば、ぜひ併せてご覧いただきたいものです。

かつみゆきお木の仕事
会期 2023年6月17日(土)〜25日(日)
時間 11:00〜17:00(会期中無休)
会場 清滝ギャラリーテラ(京都市右京区嵯峨清滝町11−2)

一畳百色展終了しました

甲谷さんと由良部さんの「一畳百色展」が終了しました。
バリアフリーでもない山裾の古民家に、たくさんの方がお越しくださいました。展覧会のことをまとめて報告しようと思うのですが、会期中の多くの光景や思いが押し寄せてきて、なんだか簡単にまとめられません。

特に会期後半には、甲谷さんはじめ、重度障害者の方々が4組も車椅子で来てくださり、会場で皆さんと集うことができました。
会場で甲谷さんに久々に会われた看護師さんが声をかけられた時、甲谷さんの目がパッと輝いた瞬間は忘れられません。車椅子の方が、2階の作品も見たいと言ってくださり、皆で2階の作品を下に持って降りたことも印象深いことでした。ここまで来る時間や労力も大変だったはずなのに、会場を楽しんでくださったご家族の前向きさにも打たれました。帰り際には、ALSのご家族の方同士がライン交換し合う場面も見られて嬉しかったです。

場や状況がきちんと整っていなくとも、それ無理でしょ、できないでしょ、と決めつけず、できる形を探せば良いのだ、と気付かされました。

この企画展をきっかけに、いろいろな人がつながりあい、理解、協力し合い、明るく、風通し良く、少しでもより良く生きてゆけたらと願います。
この展覧会に来て、甲谷さんの絵と由良部さんの踊りを見て、話も聞いてくれた友人が、感想に「なんだかエネルギー温泉に入ったみたい」と言ってくれました。上手いこと言うなあ!まさに今、そんな感じです!

5月21日

「一畳百色」展終了。最終日、満員御礼。
どんな会だったのか、言葉にまとめようと思うのだけれど、うまく言葉が紡げない。言葉にすると、薄っぺらくなってしまいそうな気がして、あれ、意外にも無口になる。
大勢の方が来てくださった。この日も車椅子は2台。こんな山裾のバリアフリーでもない古民家の空間に、よくぞお越しくださった。

今回やりたかったことは、「五月晴れの新緑美しい清滝で、窓を開け放ち、吹き渡る風を感じながら、甲谷さんの絵をみて、由良部さんに踊ってもらうこと」。お二人を通して、一畳の空間の中にある大きな広がりを多くの人とともに感じること。そして、改めて、生きるとはどういうことなのか、考えてみたいと思った。

今、曲がりなりにも、それらができたという充実感の中にある(行き届かない点も多々あったとは思いますが)。


この展覧会を通して、とてもよくわかったことがある。
人はみな、それぞれ存在の意味を持っている。
病の有無も関係ないし、体が自由に動かせるかどうか、ましてや職業や頭の良し悪しも関係ない。
それぞれがその存在を発する手段は、言葉だけではなく、絵だったり、踊りだったり、歌だったり、いやそれだけでもなく、ほんの少しの表情だったり目の輝きだったり、いやそれですらなく、その人の存在自体が、誰かを励ましたり、助けたり、生きる支えになったりしている。
人はだれもが自由であるし、不自由でもある。
でも人は、誰もがそれぞれの光を放っていて、それは誰にも取り替えの効かないないかけがえのないものだと思う。

ああ、言葉にする尻から大切なものがするする抜け落ちていってしまう気もしますが、今回の展覧会で知りたいと思っていた答え、そんな言葉の近くにある気がしています。